
細胞の構造をマッピングする人工知能システムで、人間の腎臓細胞を分析したところ、そこに70種ものパーツが含まれていることが判明。そのうち半分は、学者すらも見たことがないものだったのだ。
細胞については「判明していることより、していないことの方が多いだろうとは思われていました」と、米カリフォルニア大学サンディエゴ校のトレイ・アイデッカー教授は語る。
研究者は、それをさらに深く探る方法をようやく手に入れた。AIだ。
ミクロンとナノの中間の大きさを調べる方法がなかった 肉眼ではとても見れない小さな細胞を調べる方法は、主に2つある。顕微鏡による観察と、生物物理学的な分析だ。
顕微鏡による観察はわかるだろう。観察したいタンパク質に蛍光の目印をつけ、その動きを観察する。
これはミトコンドリアといった細胞小器官くらい、1ミクロンくらいの大きさまで見ることができる。
他方、生物物理学的な分析では、あるタンパク質にだけ反応する抗体を用いて、細胞からそのタンパク質を取り出し、何か別のものがくっついていないか調べる。
こちらの方法では、タンパク質の大きさからナノ・サイズまで探ることができる。
ところが、ここで困ったことがある。ミクロン・サイズとナノ・サイズの中間の大きさを調べる方法がないのだ。