ロンドン塔の近衛兵が進路上の子供を押し倒す。任務とは言えあまりにも無慈悲との声も
 イギリスのバッキンガム宮殿やロンドン塔、セント・ジェームズ宮殿に常在している近衛兵は、王宮警護を担う部隊の1つ「コールドストリームガード(Coldstream Guards)」と呼ばれており、伝統を厳しく守って規律正しく行進する姿が観光客にも人気だ。

 彼らの存在は、“観光名所”ではない。
そのため、「まっすぐ進め」というコマンドが下されれば、それを確実に遂行する。故意ではなくとも、彼らの邪魔をした観光客に対しては一切の容赦をしない。

 これまでにも、近衛兵と観光客とのトラブルが伝えられているが、今回は近衛兵の行く手を遮る形になってしまった子供を押し倒す形となってしまい、その映像がSNSで物議をかもしたようだ。

2人の近衛兵がパトロールで行進中、子供と衝突 12月28日、TikTokに投稿された動画が物議をかもした。

 キャプションには「姉がイギリス訪問して初日に発生」とあることから、投稿主の家族はどうやら観光でイギリスに来ていたようだ。

 動画を見ると、有名な観光名所となるロンドン塔の敷地内にいた2人の近衛兵が、一般の人々が見ている中で行進を始めた。

 だが投稿主の姉の子供が彼らの行く手を遮る形になり、1人の近衛兵と子供が衝突した。すると、近衛兵は「道を譲れ!」と叫び、転倒した子供を押し倒しそのまま前進した。
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 子供は倒れた直後に、母親に手を引っ張られて立ち上がったため、怪我はしていないと思われるが、衝撃的な光景を目撃していた周りの人も母子も、振り返ることすらしなかった近衛兵を見送り、唖然としている姿が映し出されている。

[画像を見る]

image credit:user7312510220627/TikTok

世界中から様々な反応が沸き起こる この動画はたちまち拡散し、多くのユーザーから様々な声が寄せられた。
・いくら仕事中とはいえ、子供を踏みつけておいていいってことはないんじゃない!?

・常識を適用して、子供を踏み倒すのを避けるべきだったのでは?

・さすがに子供を蹴ってそのまま、っていうのは厳しすぎるかと。

・なぜ、こんなに攻撃的にならなければダメなの??

・任務実行のためには、周りの人なんてお構いなしだね。
 邪魔になったのが大人ではなく子供だったこともあり、ユーザーらからは近衛兵の態度に対してやや批判的な声があがったようだ。

 しかし一方では、
・彼らは銃を持っているし、だからこそ道を開けろと叫ぶんじゃないかな。

・邪魔になっていた子供が悪い。

・親が子供に気を配っていないから、非難されるべきは親だと思う。

・子供を避ければいいのに、っていう声があるけど、それをしたらその近衛兵はクビだろうな。彼らは女王のためだけに働いているんだから。

・近衛兵は、観光客のために存在しているんじゃない。それがわかっていない人が多すぎる。彼らは、女王を守るために高度な訓練を受けた兵士たちなんだ。
といったコメントや、「邪魔になった子供も悪いし、踏みつける兵士も悪い。どっちもどっち」といった声が寄せられた。国防省が異例の声明文を発表 この映像はイギリスのテレビニュースでも伝えられている。


[動画を見る]

Guard tramples a child at Tower of London? (UK) - ITV News - 29th December 2021

 動画の拡散を重く見た国防省は、異例の声明文を発表しこのように述べている。
当直の近衛兵は、パトロールの行進が近付いていることを敷地内にいる人々に警告していました。

それにもかかわらず、子供は近衛兵の前に出たのです。子供を乗り越えようとした近衛兵は、自身の義務を果たしたまでです。
 また動画を見る限りでは、子供と衝突した近衛兵が歩みを止めたり振り返ったりする様子は映し出されていないが、国防省は「この出来事の後、子供に怪我がなかったかどうか、近衛兵はきちんと確認した。問題はない」と主張している。

 これまでも、近衛兵の行進の進行の邪魔をする観光客らは注意されるなどの措置がとられており、その様子はYoutubeの動画にまとめられている。

[動画を見る]

MAKE WAY FOR THE QUEENS GUARD!!!

 ちなみに、勤務中の近衛兵をからかう真似をする観光客には、このような結末が待っている。

[動画を見る]

written by Scarlet / edited by parumo

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