刑務所を脱獄した殺人犯のマフィア、Googleストリートビューに写り込んでいた!20年ぶりに逮捕
 世界中の風景をパノラマ写真で提供するGoogle ストリートビューでは、思わぬ瞬間がとらえられることがある。

 今回ストリートビューに写り込んでいたのは、なんと20年前に刑務所を脱獄し、逃亡を続けていた人物だ。


 スペインの青果店の前で、誰かと気さくに話し込んでいるこの人物こそ、殺人罪などで終身刑が言い渡され刑務所に収監されていたイタリアのマフィアのボス、ジョアッキーノ・ガミーノ(61)であることがわかったのだ。 

刑務所を脱獄したシチリアマフィア ジョアッキーノ・ガミーノ(61)はスティッダ(Stidda)と呼ばれるイタリア、シチリアのマフィアだった。1989年に敵対するマフィアと抗争。その時誤って民間人を殺害した罪で指名手配された。

 ガミーノはスペインに逃亡するも1998年に逮捕。殺人以外にも様々な罪を犯していたことで、終身刑が言い渡され、イタリア・ローマのレビッビア刑務所に投獄された。


 だが2002年、刑務所内で映画の撮影が行われていた際、面会に来ていた囚人の親族に紛れて脱獄に成功、それからずっと雲隠れしていた。Googleストリートビューから居場所が判明 ガミーノの行方を追っていたイタリア警察は、2014年に欧州逮捕状(EU加盟国全体で有効な逮捕状)発行。EUをあげての大捜査網が敷かれていた。

 ところが、その後意外なところから彼の居場所が明らかとなる。Googleストリートビューにガミーノが写り込んでいたのだ。

 スペイン、マドリード市ガラパガルにある青果店「El Huerto de Manu」の前で話し込んでいる2人の男性。
この白っぽいシャツを着た人物が、ガミーノだったのである。

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 警察はこのストリートビューの写真を手掛かりに周辺を詳しく調査。すると、青果店の近くにあるレストラン「La Cocina de Manu」のFacebookページにガミーノらしき人物の写真がシェフとして掲載されていることを突き止めた。

 ガミーノはむろん偽名を使っていたが、左あごに傷跡があったことから本人と特定。2021年12月17日に逮捕された。

 こうして20年に及ぶガミーノの逃亡生活は終止符が打たれた。


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Il super boss Gammino fotografato da Google Maps: catturato dopo 20 anni di latitanza

 ガミーノは20年間の逃亡中、完全にシチリアマフィアとの関係をすべて断ち切ることができたと言った。逮捕時、彼は警察にこのように語ったと伝えられている
私は10年間、家族とすら連絡を取っていない。なのにどうして自分を見つけることができたんだい?
 ストリートビューは、それ専用に開発されたグーグルカーの屋根に搭載した全天球カメラで地上約2.45メートルから各地を走行しながら撮影している。

 車が入れない場所でも、バイクや自転車、スノーモービル、ボート、時に人が機材を背負いって歩いて撮影する。

 その撮影エリアは世界中の都市や郊外をカバーしており、もし自分が写り込んでいても気が付かないこともある。

 監視カメラだけ警戒していても、ストリートビューからは逃れられないこともあるってことで、悪いことをしている人は震えて眠るしかないな。


References:Italian mafia fugitive arrested in Spain after Google Street View sighting | Mafia | The Guardian / written by / parumo

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