姉妹は飛行機の機内で、見知らぬ女性からメモと共に100ドル札(約13,000円)を手渡される。不安と恐怖でいっぱいの姉妹たちだが、女性からの慈愛に勇気づけられ、後の運命を切り開くきっかけとなった。
姉妹はこの女性の行為を片時も忘れることがなかった。アメリカでの生活が落ち着くと、姉妹はすぐに女性を探し始めた。とにかくお礼がいいたかったのだ。
そして23年後、ついに再会を果たすこととなる。
無一文でアメリカ行きの飛行機に乗った姉妹少女 1999年5月31日、アイダ・ズガイさんは姉のヴァンジャ・コンティノさんとアメリカ行きの飛行機に搭乗していた。
当時、アイダさんは12歳。姉とたった2人で紛争中のユーゴスラビアから、無一文でアメリカに避難しようとしていた。
機内で少女たちは1人の女性と出会った。隣の座席に座っていたその女性は、黙ってずっとアイダさんの話を聞き、飛行機を降りる間際に封筒を差し出した。
封筒を開けると、メッセージを書いたメモと100ドル紙幣が同封されていた。メモにはこのように綴られてあった。
[画像を見る]
ユーゴスラビアの少女たちへ。あなたの国での戦争が、あなたの家族に困難を引き起こしたことをとても悲しく思います。見知らぬ人のやさしさと100ドル札が運命を切り抜けた 無一文で不安を抱えながら飛行機に乗り込んだ姉妹にとって、トレイシーさんのやさしさは大きな励みとなった。
アメリカでの滞在が、あなたたちにとって安全で幸せなものになることを願っています。トレイシーより
ボストンに移住したアイダさんは、トレイシーさんのことを決して忘れなかった。アイダさんはメモをずっと大切に保管し続け、メモを何度も読み返すことで、勇気をもらい、自分の自信に繋げた。
[画像を見る]
私たちにとって、あの100ドルは貴重なお金でした。あのお金があったからこそ、アメリカに着いた夏の間、どうにか過ごすことができたし、3か月間ホスト先に滞在する助けにもなったのです。(アイダさん)女性に会ってお礼が言いたい、探し続けて10年 いつか、トレイシーさんに会って、感謝の気持ちを伝えたい。そう思いながら暮らしているうちに、20年の歳月が過ぎた。
大学を卒業したアイダさんは、非営利団体に就職した。姉は結婚し、2人の子供に恵まれて幸せに暮らしているという。
アメリカに到着した日を記念日として、この10年間毎年アイダさんはソーシャルメディアを更新し続け、トレイシーさんを探し続けてきた。
そしてついに事態が動く。
アイダさんがトTwitterに、トレイシーさんを探すための動画を投稿したのがきっかけだ。
Can you help us #FindTracy?
— Refugees International (@RefugeesIntl) April 26, 2022
She welcomed @aydazugay into the US with an unexpected message in 1999. We'd love to help her decade-long search so she can reunite and thank Tracy in person.
Email info@refugeeadvocacylab.org if you can help us connect with Tracy! #BeAWelcomer pic.twitter.com/TT74V1Zmcc
テニスが上手な中年の女性で、ミネソタ州に戻ると言っていました。パリから乗ってきて、テニスをしにアムステルダムに行って、アムステルダムからの飛行機の中で私たちと知り合いました。23年ぶりの再会が叶う Twitterの動画が拡散されると、その筆跡に見覚えがあるという人物から連絡があった。それは、トレイシーさんの娘のアシュリーさんだった。
アシュリーさんから、アイダさんが探しているのはミネアポリスに住むトレイシー・ペックさん(70歳)であることが判明し、ついに2人は23年ぶりに再会することが叶った。
トレイシーさん
ズームで顔を合わせた2人は、1時間にわたり笑いと忘れられない思い出を共有し。アイダさんは、トレイシーさんの思いやりに対して感謝の気持ちを述べた。We asked the world to help #FindTracy and an @cnn article combined with the video work of @_helloimalexv and the social media network of the refugee community to help @aydazugay finally meet Tracy this past weekend! ❤️ https://t.co/Qsq3DXCNOD
— Jen Lee Reeves (she/her) (@jenleereeves) May 3, 2022
トレイシーさんは「やさしさは、神様からの贈り物です。あなたの話にとても心打たれたので、あなたたち2人のために親切にしたいと思ったのです」と、23年ぶりの再会に喜びを露わにした。
[動画を見る]
References:Woman who gave $100 to two refugee sisters on a plane is reunited with them 23 years later/ written by Scarlet / edited by / parumo
written by Scarlet / edited by parumo
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。』