干ばつの影響で、1億1千万年前の恐竜の足跡が続々と発見。
image credit: Dinosaur Valley State Park

 アメリカでは壊滅的な干ばつが続いている。テキサス州ダイナソーバレー州立公園にながれる川は干上がってしまったのだが、そこで驚きの発見があった。


 川底には、1億1千年前をいきた恐竜の足跡が眠っていたのである。
干上がった川底から恐竜の足跡
 テキサス州グレンローズ市近郊にあるダイナソーバレー州立公園を流れるパルキシ川が干ばつで干上がったことで、川底にあった巨大な恐竜の足跡が現れた。

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アクロカントサウルスの足跡である可能性
 それぞれの足跡には3本の深い爪があり、獣脚類のものと考えられている。獣脚類は二足歩行の陸生肉食恐竜のことだ。

 今回の発見された足跡のほとんどは、1億1300万年から1億1000万年前に現在の北アメリカに生息していたアクロカントサウルスのものである可能性が最も高いという。

 アクロカントサウルスは、当時、北米大陸最大級の獣脚類で、今回発見された足跡から推測すると、体高4.5メートル、体重7トンくらいの個体だという。

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アクロカントサウルス photo by iStock
 州立公園野生生物局のステファニー・サリナス・ガルシア氏によると、今年の夏の極端な干ばつにより、川が完全に干上がったことで、多くの足跡が発見されたという。

 通常の川の状態では、堆積物に埋もれてしまうため、ここまではっきりと恐竜の足跡を見ることはできないそうだ。

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image credit: Dinosaur Valley State Park 
 川底が完全に乾燥しきっているので、とても見ごたえのある足跡だ。

 本当に恐竜っていたんだ!1億年以上前を生きた恐竜の存在をより鮮明に実感することができる。

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かつてはサウロポセイドンの足跡も
  ダイナソーバレー州立公園では、他にも獣脚類と竜脚類の足跡が発見されている。

 足跡が最初に発見されたのは、1909年、パルキシ川の大洪水の時で、足跡の化石が露出したことがきっかけだった。


 当初、古生物学者は獣脚類の足跡にしか注目していなかったが、やがてこの場所には竜脚類の足跡もあることが明らかとなった。

 その時に発見されたのが、大型草食恐竜として有名なサウロポセイドンだ。体高が18メートル、体重44トンとかなり巨大な竜脚類である。

 過去100年以上にわたって、研究者たちはここで多くの足跡を発見し、記録することに成功しているが、足跡は川の水位によって時々しか見ることができない。

 だがテキサス州は現在ひどく乾燥しているため、川底に残された足跡はいつも以上に多くなっている。

 この夏、テキサス州では深刻な雨不足と記録的な高温が続き、州の約27%が最も深刻な「例外的干ばつ」の警告を受け、さらに62%が「極度の干ばつ」に耐えていると言われている。

 今週は豪雨が州を襲い始めているた。ここ数ヶ月の乾燥した気候は、土地の多くを乾燥させ、水を吸収することができず、鉄砲水の危険性をもたらしている。

 大洪水の後、この保存状態の良い足跡が再び見られるかどうかは、今のところ不明である。

References:Drought Reveals 110-Million-Year-Old Dinosaur Tracks In Texas Riverbed | IFLScience / written by parumo

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