本物の羊を数えながら眠る体験ができる世界初の宿泊施設
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 眠れない時に羊を数えるという文化は、英語圏が発祥と言われている。シープという英語の発音が腹式呼吸になることから睡眠効果が得られることもあるそうだ。


 日本語で「ひつじが一匹」ではあまり効果はないそうだが、それはさておき、自然の中で羊がのんびり暮らしている姿は、人間に癒し効果をもたらすのは事実だ。

 イギリスでは、実際に自然の中で羊を数えながら眠りにつく体験ができる世界初の施設がオープン予定だという。

世界初、羊を数えながら眠れる施設 来年の夏、サセックスにある牧草地で、本物の羊を数えながら眠る体験ができるという世界初の宿泊施設がゲストに提供される。

 この世界初の体験「Shleep Sanctuary」を実施するのは、心地よいマットレスを開発・販売している英スリープテック企業の『Emma Sleep』だ。

 2名のゲストが宿泊できるガラスのドームには、もちろんEmma Sleep社のマットレスが敷かれたダブルベッドがある。

 周りには番号がつけられた羊の群れがいて、ゲストは星空の下で至福の眠りにつく前に、リラックスしながら羊を数えることができる。

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 心地よく目覚めた翌朝は、ガイド付きのヨガセッションに参加し、地元産の食材を使った朝食バスケットを楽しむことができるという。

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イギリス人は睡眠の質が低下していると調査で判明 今年、2000人のイギリス人成人を対象に行われた世論調査では、23%のイギリス人がかつてないほど睡眠の質が低下していると主張し、44%の人が「なかなか眠れない」と回答した。

 また、5 分の 1 以上 (21%)の人は、生活費の危機を心配して眠れず苦しんでおり、23% は仕事に悩まされ続けて眠れないと答えたそうだ。

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 そのため、成人の 7 人に 1 人 (14%) が夜ぐっすり眠るために、羊の数を数えるなどの「視覚化戦術」を採用しているという。

 また、視覚化戦術以外にも、新鮮な空気 (23%) や自然の音 (19%) などが、よく眠れる可能性を高めるとイギリス人は信じていることが調査で判明したようだ。

 これらの結果を受けて作成されたこのドーム型宿泊施設について、Emma SleepのCEO (最高経営責任者)である デニス・シュモルツィ博士は、次のように述べている。
羊の数を数えると眠れるというのはデタラメな話ではありません。これは、イギリスでは実証済みの視覚化手法なのです。

イギリス人は、リラックスするのに苦労している時、穏やかで平和な環境を切望しています。だから羊を数えるのです。リラックスすることは、睡眠の質にとって非常に重要です。


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 Emma Sleepの睡眠科学者テレーザ・シュノールバッシュ氏は、次のように述べている。
想像力で気を散らすことは、睡眠を助けるための効果的な認知戦略でもあるので、たとえばフェンスを飛び越えるフワフワした羊を数えるなど、快適でリラックスできるイメージを可能な限り詳細に想像することです。
 つまり専門家は、眠りにつくまでの時間を短縮し、かつ睡眠の質を向上させるためには、心配事が抑制されるように認知能力を最大限に活用することが大切と説いている。

 最終的に羊を数えるという行為自体が眠気を誘わなかったとしても、大切な人と2人で満点の星空の下、新鮮な空気とフワモコの羊の群れに囲まれて一夜を過ごすことは唯一無二の体験で、なかなかリラックスした気分を味わうことができるかもしれない。

References:Shleep Sanctuary

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image credit:emma-sleep / written by Scarlet / edited by parumo

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