長い2本の角をもつ、戦国武将みたいなかっこいい蜘蛛「マクラカンサ・アルクアータ」
 蜘蛛界でも目立ちたがりのタイプかな。空に向かってニューンと伸びてる長い角(ツノ)?見ようによっては般若やら赤鬼めいた甲冑をつけてるみたいでかっこいいぞ。


 これに対抗できるのは奇抜番長ツノゼミか、ド派手な兜で有名な戦国武将ぐらいなもんだろう。

 真っ先にコラ疑惑が生じそう。最強そうで実は無害なコガネグモ科の蜘蛛 Macracantha arcuata(マクラカンサ・アルクアータ)をみてみよう。

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Demon Horned Orb-Weaver Spider | Viewer Beware

英名は角があるコガネグモ。実は無害なMacracantha arcuata
 この蜘蛛の学名はMacracantha arcuata(マクラカンサ・アルクアータ)

 分類的にはコガネグモ科で、海外ではhorned orb-weaver spider(角があるコガネグモ)または、角の部分がV型をした鳥の叉骨に似てることからwishbone spider(ウィッシュボーン スパイダー)などと呼ばれている。


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image credit:Rushen, CC BY-SA 2.0 , via Wikimedia Commons

体長の3倍の長さ!立派な角は雌だけの特徴
 この蜘蛛の腹部は、雌雄ともトゲのような突起がついた頑丈な殻で覆われているが、写真のように立派な「角」があるのは雌だけ。

 この角は3対あるトゲの中でずば抜けて長い1対で、体長の3倍もあるそうだ。

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 空に向かってつき出す角は壮観でいかにも強そう。しかし幸いなことにこの蜘蛛に毒は無い。つまり、いかついわりには無害なのだ。

雌のお腹の色は赤以外も。長い角は捕食の阻止に有効か?
 Macracantha arcuata は中国やインド、東南アジアからボルネオの森林などに生息する。


 また雌の場合、長い角は同じでもお腹の色はいろいろで、赤以外に黄色や白、黒などもあるそう。

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 一方、やたらに長い角の機能についてはよくわかっていない。

 ただ一部の昆虫学者は、この角が捕食の阻止に役立つと考えている。もし鳥やトカゲなどの天敵に襲われても、この角が邪魔で飲み込まれにくいというのだ。

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 たとえ無害でも長い角の威嚇効果はばつぐん?確かに見た目に「近づかんとこ」って思うくらいのインパクトあるし、赤だとなおさらヤバいタイプにみえる。

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 どこかに引っかかったり折れたりしないの?とかそっちのほうも気になるけど、たぶんそれ以上に重要な生存戦略なんだろう。

 そういや前にピカチュウを宿したみたいな蜘蛛もいたっけ。あれもけっこうな見た目だったけど同じような理由でトゲトゲなのかな。

References:odditycentral / wikipediaなど /written by D/ edited by parumo

追記(2022/10/20)名称の日本語表記を訂正して再送します。

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