
長さ170kmもあるSFめいた都市建設がサウジアラビアで実際に進められている。この途方もないプロジェクト。
およそ1年半前の着工当時の映像では、広大な砂漠でたくさんの重機が動き始めたばかりだったが、今はどうなってるのか?
先日公開されたばかりの最新の現場の様子を見てみよう。
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THE LINE in Progress - February 2024全長170km、サウジアラビアで建設中の都市「THE LINE」 「THE LINE」は、サウジアラビアの砂漠で現在建設中の未来型都市だ。2021年3月に発表されたこの都市はやたらユニークなデザインで、完成すれば全長170kmにもなるのだ。
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一方で高さ500m、幅200mととんでもなく細長く、その名のとおり遠目には国土を横断する線のようになるという。
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その側面は鏡面で周囲を映し出すような加工がなされるもよう。
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この細長い都市にニューヨーク市の人口にほぼ等しい約 900 万人の都市が居住することになっている。まあ万里の長城よりはずっと短いけども完成したら確かに壮観だろう。
タブーク州ネオム地域に建設予定のTHE LINEのイメージ
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NEOM | What is THE LINE?
着工は2022年10月だった。広大な砂漠に集結した大量の重機が、170kmもの掘削を行う様子が壮大なプロジェクトとして話題となった。
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Drone footage reveals The Line megacity under construction in Saudi Arabia今は地盤工事が進行中。世界最大の打設作業の予定も 一方現状はというと2024年2月末現在、地盤工事が進んでるもよう。
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THE LINE 公式によると、プロジェクトは大きな進展を遂げている最中だという。現在は260台の掘削機と2000台のトラックが24時間体制で稼働中で、毎週数100m3の土砂や水が運搬されている。
また2024年の第1四半期までを目途に、世界最大の打設作業が行われる予定だ。
確かに前より周辺も整ってきたし、キリンみたいに背が高い杭打ち機らしきものが並んでいる。
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しかし砂漠みたいなところで地盤を固めるのってどうするんだろう。日本のとは違う独特な工法とかあるんだろうか。ネオム地域では複数のプロジェクトが進行中 ここネオム地域では、THE LINE のほかにも複数のプロジェクトが平行して進んでいる。それらはまとめて「NEOMプロジェクト」と呼ばれている。
その中の一つ「Sindalah(シンダラー)」は、紅海に浮かぶシンダラー島をラグジュアリーなアイランドリゾートにする計画で、ホテル建設が進められている。
イタリアの設計会社、ルカ・ディニ・デザイン・アンド・アーキテクチャが手がけたホテルはほぼ完成に向かっており、近く宿泊客の受付も始まりそうだ。
また、八角形の都市「Oxagon(オクサゴン)」はデンマークの設計会社BIGのデザインで、スエズ運河を運航する船が接続する浮遊型の港湾都市になる。
ほかにもスキーリゾートの「Trojena(トロヘナ)」やアカバ湾の開発などいずれもリゾートを目的とする個性的なプロジェクトがいくつも進んでおり、この地域はすさまじく変貌する予定だという。
なかでも深刻な人権問題とされているのが、サウジアラビア当局者が、立ち退きを拒否した先住民を逮捕し、死刑にすると宣言したことだ。
実際2022年12月に現場で抵抗した先住民3人が死刑宣告される事態が起き、翌年5月に国連が、警鐘を鳴らしている。
だがサウジアラビアの皇太子で、事実上の支配者であるムハンマド・ビン・サルマン氏は、自身が発案したNEOMの完成を望むという意向を表明したまま。人命を脅かすプロジェクトをそのまま推し進める気らしい。
なおTHE LINE プロジェクトは2030 年までに第1段階が完了する予定。といっても目の前に解決すべき問題が山積しているようだし、構想通りってわけにはいかなそうだな。
References:newatlas / neomなど /written by D/ edited by parumo
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。』
それは砂漠のど真ん中を横断する、スマートメガシティ「THE LINE」だ。
およそ1年半前の着工当時の映像では、広大な砂漠でたくさんの重機が動き始めたばかりだったが、今はどうなってるのか?
先日公開されたばかりの最新の現場の様子を見てみよう。
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THE LINE in Progress - February 2024全長170km、サウジアラビアで建設中の都市「THE LINE」 「THE LINE」は、サウジアラビアの砂漠で現在建設中の未来型都市だ。2021年3月に発表されたこの都市はやたらユニークなデザインで、完成すれば全長170kmにもなるのだ。
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一方で高さ500m、幅200mととんでもなく細長く、その名のとおり遠目には国土を横断する線のようになるという。
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その側面は鏡面で周囲を映し出すような加工がなされるもよう。
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この細長い都市にニューヨーク市の人口にほぼ等しい約 900 万人の都市が居住することになっている。まあ万里の長城よりはずっと短いけども完成したら確かに壮観だろう。
タブーク州ネオム地域に建設予定のTHE LINEのイメージ
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NEOM | What is THE LINE?
着工は2022年10月だった。広大な砂漠に集結した大量の重機が、170kmもの掘削を行う様子が壮大なプロジェクトとして話題となった。
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Drone footage reveals The Line megacity under construction in Saudi Arabia今は地盤工事が進行中。世界最大の打設作業の予定も 一方現状はというと2024年2月末現在、地盤工事が進んでるもよう。
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THE LINE 公式によると、プロジェクトは大きな進展を遂げている最中だという。現在は260台の掘削機と2000台のトラックが24時間体制で稼働中で、毎週数100m3の土砂や水が運搬されている。
また2024年の第1四半期までを目途に、世界最大の打設作業が行われる予定だ。
確かに前より周辺も整ってきたし、キリンみたいに背が高い杭打ち機らしきものが並んでいる。
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しかし砂漠みたいなところで地盤を固めるのってどうするんだろう。日本のとは違う独特な工法とかあるんだろうか。ネオム地域では複数のプロジェクトが進行中 ここネオム地域では、THE LINE のほかにも複数のプロジェクトが平行して進んでいる。それらはまとめて「NEOMプロジェクト」と呼ばれている。
その中の一つ「Sindalah(シンダラー)」は、紅海に浮かぶシンダラー島をラグジュアリーなアイランドリゾートにする計画で、ホテル建設が進められている。
イタリアの設計会社、ルカ・ディニ・デザイン・アンド・アーキテクチャが手がけたホテルはほぼ完成に向かっており、近く宿泊客の受付も始まりそうだ。
また、八角形の都市「Oxagon(オクサゴン)」はデンマークの設計会社BIGのデザインで、スエズ運河を運航する船が接続する浮遊型の港湾都市になる。
ほかにもスキーリゾートの「Trojena(トロヘナ)」やアカバ湾の開発などいずれもリゾートを目的とする個性的なプロジェクトがいくつも進んでおり、この地域はすさまじく変貌する予定だという。
「世界で最も物議をかもすプロジェクト」という批判も 知れば知るほどスケールの巨大さに愕然とするが、このネオム地域の開発は「世界で最も物議をかもすプロジェクト」ともいわれている。[画像を見る] 悪評が立つ原因はいろいろあるが、まず立ち退きの強制などの人権侵害の疑い、技術的および経済的な側面からの実現可能性への疑念、さらに環境への懸念だ。
なかでも深刻な人権問題とされているのが、サウジアラビア当局者が、立ち退きを拒否した先住民を逮捕し、死刑にすると宣言したことだ。
実際2022年12月に現場で抵抗した先住民3人が死刑宣告される事態が起き、翌年5月に国連が、警鐘を鳴らしている。
だがサウジアラビアの皇太子で、事実上の支配者であるムハンマド・ビン・サルマン氏は、自身が発案したNEOMの完成を望むという意向を表明したまま。人命を脅かすプロジェクトをそのまま推し進める気らしい。
なおTHE LINE プロジェクトは2030 年までに第1段階が完了する予定。といっても目の前に解決すべき問題が山積しているようだし、構想通りってわけにはいかなそうだな。
References:newatlas / neomなど /written by D/ edited by parumo
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