ヒゲメンOK!兵士不足に悩むイギリス陸軍、100年ぶりに髭を解禁
 3月29日、イギリス陸軍では100年の長きに渡って続いてきた髭禁止令を解除し、将校や兵士が髭(ヒゲ)を生やすことを許可する決定を下した。

 これは人手不足に悩まされている陸軍が、新兵を確保するためにとった苦肉の策らしいが、果たして思惑通り、入隊希望者は増えるのだろうか?

英陸軍でこれまで禁止されていた髭が解禁 昨年秋に就任したシャップス国防大臣にすら、「不条理な過去の遺物」と一刀両断された髭(ヒゲ)禁止令。解禁になったとはいえ、髭なら何でもいいというわけではない。

 認められたのは2.5mmから25.5mmの長さに整えられているフルベアード、つまり髭が生える場所全体に生えた髭のみとのことなので、どうやら口髭や顎髭はNG。

 さらに頬骨と首筋のところで、キレイに切り揃えられなければならない。不揃いだったりまだらだったり、不自然な色の髭は不可である。

 もともとシーク教徒やムスリム、ラスタファリアンなど宗教上・健康上の理由がある場合は、これまでも髭を蓄えることが許可されていたのだが、今回はファッションとしての髭が解禁となるわけだ。[画像を見る] 他の国では?日本の自衛隊は? 同じイギリス軍でも海軍では伝統的に髭が認められてきた歴史があった。これまで禁止されていたのは空軍だが、2019年9月から髭を解禁したそうだ。

 また、デンマークやドイツ、ベルギーといった国々では、軍隊で髭を生やすのが認められている。

 米軍では基本的に禁止だが、中東に派遣される特殊部隊などの場合は、現地に溶け込むために認められるケースもある。

 さて、我らが自衛隊での髭の扱いはどうかというと、あの「髭の隊長」として知られている佐藤元隊長がX(旧Twitter)で呟いたところによると、陸自の場合「鼻髭はOKだがあご髭はNG」とのことらしい。  日本の自衛隊でもイギリス軍と同様に、人材確保のために髪型や髭などの規定は緩和の方向らしく、多様な人材を確保するための各種要件の緩和の検討(身体要件)によると、海自や空自でもとりあえず口ヒゲは手入れをきちんとすればOKのようだ。ヒゲ解禁で入隊者は増えるのか? 今回、髭が生やせるようになったとはいえ、各自の髭の状態は定期的にチェックされるそうだし、状況によっては髭を剃るよう命令される場合もあり得るとのこと。

 もちろん無精ヒゲはもってのほかなので、これから伸ばそうとするには少々ハードルが高いかもしれない。

 イギリス軍は1960年に徴兵制を廃止し、現在は志願兵制度を採用している。

 今回100年の時を経て、再び髭の時代に回帰しようとしているイギリス陸軍なわけなんだが、「ヒゲが生やせるなら軍に入ろう!」と思う若者はいったいどれだけいるのだろうか。

 だが猫はヒゲメンが好きなので、NNN(ねこねこネットワーク)が軍を取り込んでくる可能性もなきにしもあらずだ。

References:Army lifts ban on serving soldiers having beards / British army ditches no-beard rule for enlisted men, officers amid recruitment drought / written by ruichan/ edited by parumo

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