幸せな気分になれる、赤いボールを愛するトラの水遊び風景がかわいい
 毎年7月29日は「世界トラの日」だ。絶滅危惧種となっているトラを守るために、関心を持ってもらうために、2010年に制定された。ということでトラについてのお話を見ていこう。

 赤いボールを抱きかかえながら湖で水遊びを楽しむトラは、何とも幸せそうな表情をしている。この若いトラの名は「マルアイ」と言い、2年前はコンクリートの床と狭い檻の中しか知らなかった。

 劣悪な環境で見世物になっていたマルアイを含む11頭のトラたちは、タイの野生動物保護施設に救助され、自然の中で第二のトラ生を楽しんでいる。

劣悪な環境から救い出された11頭のトラ タイの野生動物救助財団「ワイルドライフ・フレンズ・ファウンデーション・タイランド(WFFT)」は、劣悪な環境にあったプーケットの動物園から、マルアイと、マルアイの母親を含む11頭のトラを2022年4月に救助した。

 WFFTは、虐待されたり、不当飼育されている野生動物を救出し、リハビリし、可能な限り自然に近い環境で、質の高いケアと安全環境を提供することで、余生を幸せに暮らしてもらうための活動を行っている。

 現在2歳になるマルアイはこの動物園で生まれた。彼らはコンクリートが敷き詰められた狭い檻の中に閉じ込められ、大地を踏みしめたことも、走り回ることもできなかった。

 WFFTに救助された彼らは、アジア最大のトラ保護区で、これまでの虎生を取り戻すかのように新たな自由を満喫している。

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赤いボールがお気に入り、水遊びを楽しむマルアイ 大自然の中、自由に過ごすことができる日常を取り戻したマルアイは、まだ若いこともあり好奇心旺盛だ。

 保護区内の探検が大好きで、人間にも興味を示し、餌をやるスタッフやツアーガイドのところに真っ先にやってきて、挨拶をしてくれるという。

 マルアイのお気に入りはこの赤い大きなボールである。このボールをぎゅっとしっかりと抱きかかえながら湖で水遊びをするのが至福のひと時となっている。

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 マルアイには定期的にココナッツが与えられているが、ココナッツを食べるのではなく、それで遊ぶのを楽しんでいるという。

 マルアイは丸いボール状のものに目がないらしい。そんなところは、イエネコと一緒でなんとも愛らしい。

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 タイにはインドシナトラという種の野生の虎が生息しているが、現在絶滅の危機に瀕している。

 保護活動により個体数は少しずつ増加傾向にあるが、タイに野生の虎は約150頭しかおらず、違法な密猟者からの脅威が常に存在しているという。

written by parumo

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