推しヤギは誰にする?ニューヨークで初のヤギの大食い競争が開催される
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アメリカ、ニューヨーク市で、史上初となるヤギたちによる大食い競争「グレート・ゴート・グレイズ・オフ」が2025年7月12日に開催される。

 ニューヨークといえば、毎年7月4日に行われる「ネイサンズ・ホットドッグ早食い大会」が有名だが、今回その食べっぷりを競うのは5頭のヤギたちだ。

 都市の自然を守る「天然の除草員」として知られるヤギたちが、人間にとっては有害(ヤギには無害)で管理の難しい植物を夢中で食べる様子は、ネイサンズの大会でもおなじみのジョージ・シェア氏による実況で生中継される。

5頭のヤギたちによる大食い競争がついに開催

 ヤギたちによる大食い競争「グレート・ゴート・グレイズ・オフ」は、現地時間の2025年7月12日(土)、午前11時から午後1時30分まで、マンハッタン西側ウエスト151丁目、テンサイルプレイグラウンド北側の芝生広場で開催される(雨天時は7月19日に延期)。

 このイベントは、都市の自然を守る取り組みを市民に楽しく知ってもらうための啓発活動の一環として行われるものだ。

 出場メンバーは、リバーサイドパークで日頃から除草活動を行うカッシュ、ルーファス、マロマー、ロミオ、バターボールの5頭だ。

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自然界の除草作業員としてのヤギの活躍

 ヤギたちは急斜面や人が立ち入れない場所で、都市の自然環境を脅かす侵略的外来植物や、管理が難しいポイズンアイビーを食べることで、公園の生態系を守っている。

 ウルシ科のポイズンアイビーは葉や茎にウルシオールという成分を含み、人が触れるとかぶれや皮膚炎を引き起こすため、除去作業には防護服が必要となる。

 さらにこの植物はつる状に伸び、木やフェンスに絡みつき、急斜面や高所にまで広がるため、物理的な除去が困難な植物でもある。

 一方で、ヤギにはこの成分が害にならず、高いところに登るのも得意な彼らは、平気でムシャムシャと食べてしまう。

 「ヤギは急斜面や人が入れない場所でも、人や機械より楽に移動でき、土地への負担も少ないのです」と、ミッドミシガン土地保護協会のジャレッド・ハーモン氏は説明する。

 また、ヤギのフンは他の家畜のように強い臭いがなく、土に栄養を与える。さらにヤギは4つの胃を持ち、食べた植物の種をほとんど消化してしまうため、糞によって種が広がる心配もないという。

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ヤギに無理をさせない、安全で自然な競争

 この大食い競争は、ヤギの自然な食習慣を尊重した安全な内容になっている。

 ヤギに無理やり餌を食べさせることは一切なく、普段から好んで食べている植物や管理の難しい植物が適量与えられ、短時間で実施される。

 動物福祉の観点からも配慮され、ヤギにストレスを与えない運営が徹底されている。

 当日の様子は生中継され、ネイサンズ・ホットドッグ早食い大会でもおなじみのジョージ・シェア氏が会場を熱く盛り上げる予定だ。

 優勝したヤギには、「G.O.A.T.(Greatest Of All Time=史上最高の草食者)」の称号と記念撮影の機会、そして仲間たちに自慢できる名誉が贈られる。

 ちなみにヤギたちの除草作業員としての活躍は以下のタイムラプス動画でみることができる。

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 ちなみに2025年7月4日に開催されたネイサンズ・ホットドッグ早食い大会だが、女性部門では日本出身の須藤美貴さんが昨年に続き優勝を果たした。

 男性部門は、昨年出場停止となっていたジョーイ・チェスナットさん(41)が復帰し、71本を完食して優勝した。

References: Riversideparknyc[https://riversideparknyc.org/goatham/] / Eventbrite[https://www.eventbrite.com/e/goatham-2025-the-great-goat-graze-off-tickets-1419316165859]

本記事は、海外の記事を基に、日本の読者向けに独自の視点で情報を再整理・編集しています。

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