この先長いことずっと どうかこんな僕とずっと
まずはONE OK ROCKのとてもピュアで真っ直ぐなウェディング・ソング。世界を股にかけて活躍するロックバンドである彼らの中でも、多くの激しくアグレッシブな楽曲に並んで屈指の人気曲となっているのが、この「Wherever you are」だ。
ギターのアルペジオから静かに始まり、徐々に盛り上がっていくパワーバラードのこの曲。英語と日本語が入り混じった歌詞を紐解いても、「I promise you “forever” right now」(たった今、君に“永遠”を約束するよ)」「僕らが出逢った日は2人にとって一番目の記念すべき日だね そして今日という日は2人にとって二番目の記念すべき日だね」と、まさに結婚式をテーマにした楽曲であることがわかる。
新郎が力強く思いを歌い上げるのにぴったりの一曲だ。
別々に二人選んだ糸を お互いたぐり寄せ合ったんだ
出典元:(YouTube:Aimer Official YouTube Channel)
続いては、そのONE OK ROCKのTakaが楽曲提供やプロデュースにも参加している女性シンガー、Aimerの一曲。
「片っぽで丸を作ってしっかり持ってて もう片っぽでその丸の後ろを ぐるっと回って」と、曲名の通り「蝶々結び」のやり方を歌うナンバー。それが何故「結婚式の定番バラード」になりうるかというと、二人で一緒に糸を「結ぶ」という行為を、そのまま二人が「結びつく」ことの象徴として歌っているから。
後半には「結ばれたんじゃなく結んだんだ 二人で「せーの」で引っ張ったんだ」という一節もある。「ほどく」という言葉も曲中には出てくるのでおめでたい席にはそぐわないと思う人もいるかもしれないけれど、愛し合う二人の出会いと縁を「結ばれた」(=運命)ではなく「結んだ」(=意志)として描くのが、この「蝶々結び」という曲の主題。そう考えると、とてもロマンティックなウェディング・ソングになり得ると思う。
今日までずっと言えなかった言葉 僕と一緒になろうよ
UVERworld の「a LOVELY TONE」は、ボーカルのTAKUYA∞が友人の結婚式に歌える歌を作りたいという思いから生まれたナンバー。シングル『Fight For Liberty / Wizard CLUB』のカップリングに収録されていたナンバーだが、アルバム『0 CHOIR』のバージョンでは、色気のあるサックスがフィーチャーされ、さらにドラマティックな一曲となっている。
「今日君に伝える事がある 一生涯 僕が一回きりで使う言葉 二度は言わない 君のために用意した 僕と一緒になろうよ」と、プロポーズの情景を描くこの曲。「そうさ君を幸せに出来るのは 他の誰でもなく 僕だと証明するよ」と、ストレートな思いの込められたナンバーになっている。
ふたりのそばに 微笑みはあるのです
シンガーソングライターのコトリンゴが、永作博美の結婚式に招待された時に歌った一曲が、彼女のデビューシングル「こんにちは またあした」。ちなみに、この曲は月桂冠「つき」のCMソング。
坂本龍一のプロデュースによる柔らかなサウンドに、コトリンゴのしとやかな歌声で「こんな ふつうの 暮らしの中 幸せはあるのです」と歌う。ドラマティックな盛り上がりはないけれど、そのぶん、心に染み入るような一曲だ。
ムーンリヴァーを渡るようなステップで 踏み越えてゆこう あなたと
出典元:(YouTube:Warner Music Japan)
最後は私事で恐縮だけれど、筆者が実際に結婚式で友人のバンドに歌ってもらった曲。今のJ-POPシーンを代表するポップ・マエストロ、キリンジの堀込高樹が作った一曲だ。
「たとえ鬱が夜更けに目覚めて 獣のように襲いかかろうとも 祈りをカラスが引き裂いて 流れ弾の雨が降り注ごうとも この街の空の下 あなたがいるかぎり僕は逃げない」
という一節には、とても誠実な思いがこもっている。後半の「冷蔵庫のドアを開いて ボトルの水飲んで 誓いをたてるよ」という一節も、とても好き。
【新たな結婚式の定番バラード ソングリスト】
ONE OK ROCK「Wherever you are」
Aimer「蝶々結び」
UVERworld「a LOVELY TONE」(album version)
コトリンゴ「こんにちは またあした」
キリンジ「drifter」
石崎ひゅーい「花瓶の花」
RADWIMPS「いいんですか」
フジファブリック「wedding song」
YUKI「歓びの種」
スピッツ「空も飛べるはず」(KKBOXライター:柴那典)