[Alexandros]からデビュー10周年を締めくくる初のベストアルバム「Where's My History?」が届けられた。「ワタリドリ」「Girl A」といったシングル曲、新曲「風になって」などを収めた [A盤]、「Starrrrrrr」「Burger Queen」など初期の楽曲を中心にした[C盤]による本作は、これまでの軌跡、そして、この先の未来を同時に体感できる記念碑的な作品に仕上がっている。


出典元:YouTube(ALEXANDROSchannel)

ボーカル・川上洋平がドラマ『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』(日本テレビ系/毎週水曜22時)へのドラマ初出演も話題の[Alexandros]。緊急宣言下の中で開催順延となっていた[Alexandros] 10th ANNIVERSARY LIVEも、2021年3月20日(土祝)、21日(日)に千葉・幕張メッセ国際展示場9-11ホールでいよいよ開催。この公演をもって庄村聡泰(Dr)は“勇退”となるが、ここではライブバンドとして確固たる支持を得ている [Alexandros] の代表的なライブアンセム10曲を紹介!

Starrrrrrr

出典元:YouTube(GEROCK JP)

2013年リリースのシングル「Starrrrrrr/涙がこぼれそう」の収録曲。10年代前半のロックフェスで頭角を現した彼らは、数万人規模のオーディエンスの前で演奏することを想定して制作したこの曲により、バンドとしてのスケール感を一気に拡大。アリーナクラスのバンドへと飛躍を遂げた。ダイナミックな旋律は、川上洋平のメロディメイカーとしての驚くべき進化を証明している。


City

出典元:YouTube(UKPROJECTofficial)

切なさを感じさせるギターのアルペジオから一転、強烈なドラムとともに楽曲のスピード感は一気にアップ。鋭利かつキャッチーなギターリフ、緻密に構築されたアレンジ、サビに入った瞬間に解放されるメロディなど、初期の彼らの特徴が詰め込まれた1stシングル(2010年)。10年代前半、彼らは「City」を武器にしてバンドシーンのど真ん中に突き進んだ。またこの曲は、庄村の加入後、最初のリリース作品でもある。

Kick & Spin

出典元:YouTube(UKPROJECTofficial)

アルバム「Me No Do Karate.」(2013年)に収録されたこの曲は、[Alexandros]のハイブリッドなセンスが強く表れたナンバーだ。エレクトロを取り入れたイントロ、メタリックなギターフレーズ、力強く飛び跳ねるリズム、そして、ライブの後半にぶち込まれるヘビィメタル系のサウンド。
これだけ多彩な要素を取り込みながら、決して難解にならず、オーディエンスの理性を吹っ飛ばすアッパーチューンとして成立させるセンスも彼らの武器だろう。

Waitress, Waitress!

出典元:YouTube(UKPROJECTofficial)

パーカッシブなドラムと鋭いギターカッティングから始まる「Waitress, Waitress!」は3rdアルバム「Schwarzenegger」(2012年)の収録曲。4人の個性的なフレーズがせめぎ合い、お互いに高め合うようなアンサンブルは、このバンドの独創性に直結している。歌詞の内容はオーディエンスとバンド、つまり“ライブ”“そのもの。ライブの高揚感をダイレクトに描いたこの曲はもちろん、観客からも熱狂的に支持され続けている。

温度差

インディーズ時代の名曲「温度差」は、バンド結成当初、もっとも人気があった楽曲の一つ。
熱量の高いバンドサウンド、メンバーの個性が反映されたフレーズ、叙情性とスケール感を合わせ持ったボーカルなど、まさに[Alexandros]の原点と称すべき要素がしっかりと詰まっている。誰もいない部屋で一人佇みながら、どこかにいるはずの“誰か”を求める心情を描いた歌詞も絶品だ。

Adventure

出典元:YouTube(ALEXANDROSchannel)

[Alexandros]改名後、最初のシングルとしてリリースされた楽曲(2014年)。「Hello Hello Hell」と呼びかけ、「いつだって僕達は/君の涙を歌ってきた」と告げ、「君を連れていく」という決意を歌ったこの曲には、再出発を象徴すると同時に、ファンに対する真っ直ぐな思いが強く込められている。このバンドのルーツの一つであるoasisを想起させるサウンドメイク、シンガロング必至の壮大なコーラスも印象的なライブアンセムだ。

ワタリドリ

出典元:YouTube(ALEXANDROSchannel)

大空高く舞い上がる鳥をイメージさせるイントロ、大らかなスケール感をたたえたメロディ、<追いかけて 届くよう/僕等 一心に 羽ばたいて>という歌詞が互いに高め合うシングル曲(2015年)。
自然と身体を揺らしたくなるグルーヴ、そして、歌モノとしての普遍性を備えたこの曲は、何度なくライブのクライマックスを生み出してきた。2018年に車のCMソングに起用されるなど、ロングヒットを記録。バンドの知名度向上に貢献した。

Dracula La

出典元:YouTube(ALEXANDROSchannel)

「ワタリドリ」とともに両A面シングルとしてリリースされた楽曲(2015年)。呟くような“1,2,3,4”というカウントの直後、流麗なストリングスと重厚なバンドサウンドが疾走し、聴く者のテンションを一気に引き上げてくれる。スピード感に溢れた旋律とユニークなアイデアを注入したアレンジ、<ドラキュラドラキュラ 君の気持ちを吸って yeah yeah>というキュートな歌詞のバランスも素晴らしく、ライブにおける多幸感を生み出してきた。


ムーンソング

出典元:YouTube(ALEXANDROSchannel)

切ないノスタルジーを呼び起こすピアノ、アコギ、ストリングスの旋律から始まる「ムーソング」は、アルバム「EXIST!」(2016年)の1曲目に収録。特筆すべきは、旋律の美しさと心地よさ。幅広い音域をフルに生かしながら、豊かなストーリーを想起させるメロディからは、コンポーザーとしての川上の才能がはっきりと伝わってくる。<君がいないならいないで/自ら月に成り上がろう>というロマンティックな歌詞を含めて、ライブでの大きな感動を生み出してきた名曲だ。

Philosophy

出典元:YouTube(ALEXANDROSchannel)

18歳世代から“自分だけのかっこよさ”をテーマに動画を募集、それをもとに制作された楽曲(2020年)。“何回やっても失敗ばっかり。
それでも夢に向かって進んでいきたい”という決意を描いたこの曲は、18歳世代はもちろん、目標を掲げて頑張っている全てのリスナーを鼓舞してくれるはず。力強い意思を反映したメロディ、若い世代のオーディエンスの声を活かした編成もこの曲のポイント。大勢の観客とともに「Philosophy」を大合唱できる日が来ることを心から願う。

(KKBOXライター:森朋之)