ミュージシャンの「オン」と「オフ」を覗く、連載『至福なオフ』。「オン」のモードで作り上げた作品についてはもちろん、休みの日に聴いている音楽や私服のこだわりなど、「オフ」のことも伺います。
今回のゲストは、ニューアルバム『LOVE PARADE』をリリースする(9月25日ストリーミング / ダウンロード先行配信、11月13日CD発売)、GANG PARADEよりユメノユアさんです。

ユメノユア(GANG PARADE)にとっての「至福なオフ」...の画像はこちら >>


写真:なかむらしんたろう

オフの日なにしてる?

-まず、「オフ」について聞かせてください。オフの日はどうやって過ごしていますか?

ユメノユア:サンリオがすごく好きなので、朝早く起きれたらピューロランドに行くことが多いです。キャラクターに会えるし、パレードもすごく好きで。しかも屋内なので、雨も暑さもないのがいいんですよね。

-もし明日、丸一日オフでお金も自由に使っていいから一番「至福」な過ごし方をしておいで、って言われたら何したいですか?

ユメノユア:ひとりで旅に出ます!(笑)

ユメノユア(GANG PARADE)にとっての「至福なオフ」〜音楽を食わず嫌いしないでほしい


-どこへ?

ユメノユア:今は、森に行きたいです。
滝とかを見て、マイナスイオンを浴びたい。暑いのは嫌いなんですけど、森とか滝は好きなんですよね。やっぱり都内にいることが多いから、静かなところへ行きたくなるときがあって、そういうときは夜中に散歩したりして紛らわせているんですけど(笑)。先日WACK(所属事務所)の社員旅行で熱海に行かせていただいたんですけど、そのときに釣りをして、自然も豊かで、すごくいい気持ちになったんです。また釣りもやりたいけど、ひとりで釣りに行く勇気はまだなくて、でも周りに釣りやってる人が誰もいないから……。釣り仲間を探してます(笑)。


どういうファッションが好き?

-「私服」について聞かせてください。普段はどういうファッションが好きですか?

ユメノユア:結構、黒い服が多くて。真っ黒のほうが落ち着くからというのもあるんですけど、普段赤髪なのであまり派手な色の服を着るとしっくりこないんですよね。

-今日は「私服」で来ていただきましたが、全身黒ですね。今日の洋服はどちらで買われたものですか?

ユメノユア:上は、メリージェニーというブランドです。パンツと靴はWEGOですね。
お仕事も一緒にさせていただいているのでよく着ています。このピアスは、メンバーのココ・パーティン・ココさんから誕生日にもらいました。

ユメノユア(GANG PARADE)にとっての「至福なオフ」〜音楽を食わず嫌いしないでほしい


ユメノユア(GANG PARADE)にとっての「至福なオフ」〜音楽を食わず嫌いしないでほしい


ユメノユア(GANG PARADE)にとっての「至福なオフ」〜音楽を食わず嫌いしないでほしい


-ファッションに興味を持ち始めたのはいつ頃ですか?

ユメノユア:大学生になって私服を着る機会が増えてから、より好きなものを選ぶようになりました。でも、あまりトレンドとかに敏感ではなくて、本当に自分がいいなと思ったものをいつも買っちゃうんですよね。こういう仕事をしてるから、もうちょっと流行りとかに敏感にならなきゃなって思ってるんですけど……あんまり得意じゃなくて(笑)。

-そうやって、自分に似合う服を選んで着こなすことができる人のことを「オシャレ」って呼ぶんだと思います。
自分の趣味や性格と、自分が好きなファッションって繋がってると思いますか?

ユメノユア:ああ、そうですね。ロックが好きなので、やっぱり黒が多くなるし、かっこいい服やパンキッシュな服が最近は多くなりました。昔はパステルとか白色も着ていたのですが、自分のなかでどんどんそっちの気持ちのほうが大きくなっていますね。

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オフの日に聴きたい曲

-今回KKBOXのプレイリストを作るにあたって、「オフの日に聴きたい曲」をテーマに楽曲を選んでいただきました。

Wake up Beat! / GANG PARADE

ドラマツルギー / Eve

DAY BY DAY / 2

S P I N E / Survive Said The Prophet

消える / tricot

感情 / wacci

彷徨い酔い温度 / ずっと真夜中でいいのに。

星屑ビーナス / Aimer

―まず、1曲目に「Wake up Beat!」を選んだ理由は?

ユメノユア:休みの日は本当に起きれなくて、気づいたらお昼とかになっちゃってるタイプなので、1曲目にこれを聴いて「起きなきゃいけない」という気持ちを芽生えさせようかなって(笑)。


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―この曲、根本宗子さんのダメ男を描いた歌詞が最高ですね。

ユメノユア:本当に! 今までのGANG PARADE(以下、ギャンパレ)の曲の歌詞は、メンバーや社長、マネージャーさんなど、わりと近い人たちが書いてくださっていたのですが、今回初めてWACKではない方が書いてくださって。根本さんが女の子視点で書かれた歌詞はすごく面白いし、楽しい歌になりました。根本さんは脚本家でもあるので、やっぱり言葉選びがすごく上手いし、そういう意味でも勉強になりましたね。

―普段、オフの日にはどういう音楽を聴きたくなりますか?

ユメノユア:満員電車とかに乗って社会に出るときは、ゴリゴリの曲を聴いて「よっしゃ行くぞ!」って思ってるんですけど(笑)、家にいるときは、わりと静かな曲を選びます。プレイリストの後半に選んだのは、寝る前に聴きたい曲ですね。
オフの時は、その週にリリースされた作品をサブスクとかで聴いて新しい音楽を探す、という時間の使い方をしています。でも、ちゃんとCDを買うようにもしていて、ほぼ毎週CDショップへ行くようにもしていますね。

―新しい音楽との出会いを失くさないように、というのはユアさんのなかで大切なことですか?

ユメノユア:そうですね。最近は、Eveさんとか、ずっと真夜中でいいのに。とか、動画から出てくる人がすごく売れてるじゃないですか。米津玄師さんがその筆頭だと思うんですけど。それは、自分のなかでも新しい出会いだったんです。ニコニコ動画とかYouTubeをあんまり見てこなかったから、その方たちの前の活動を詳しくは知らなくて。そういった方たちが今こうやって若い子から絶大な人気を得ていて、ロック好きな人にも浸透しているのは、すごく面白いなと思っているんですよね。自分がライブハウスによく通っていた時代は、「ゴリゴリの音じゃないと嫌だ」みたいに、自分のわからないジャンルを毛嫌いしちゃっていた部分があったんですけど、ちょっとずつ大人になって(笑)、いろんな曲を聴くようになって、みんなにも「音楽を食わず嫌いしないで欲しいな」という想いが今一番強いんです。名前だけ見て「誰?」で終わったり、「知らないから聴かない」みたいなことって、すごくもったいないなって。

ユメノユア(GANG PARADE)にとっての「至福なオフ」〜音楽を食わず嫌いしないでほしい


―固い言い方をすると「音楽文化をもっとよくしたい」みたいな気持ちも、ユアさんのなかで大きいですか?

ユメノユア:ああ、結構ありますね。自分はアイドルとして生かしてもらっていて、CDに特典券が付いているというのもあってCDを手に取ってくれる人が多く、本当に有難い状況ですし、もっとお客さんに還元できることはたくさんあるなと思っているのですが……。アイドルではないところに友達や尊敬してる人もたくさんいて、そういう人たちのCDが全然売れなくなってしまっている今の時代は、ちょっと寂しいなって思うんですよね。売れなくて解散したり、生活するのがいっぱいいっぱいな人たちもたくさんいるじゃないですか。だから、もっともっと売れてほしいし、そしたらもっとバンドも続くのになとか思っちゃって。

―「音楽好きなアイドル」という立ち位置にいるからこそできることをやりたい、という自覚も大きいんだろうなと、ユアさんの活動を見ていると感じます。

ユメノユア:ギャンパレのなかでこうやって音楽を発信する機会をいただいているので、自分が発信することで、みんなのなかで好きなアーティストがひとりでも増えたらいいなと思っています。特典会とかで「◯◯のライブ行ってきたんだよ」という話をしてくれるファンの方もいるのですが、そういうのは本当に嬉しいし、その時間は私にとってすごく大切で。どんどん色々なところへ行って、音楽に触れて、それでまたギャンパレのところに帰ってきてくれたら、その人が見る世界はまた広くなっていると思うし、そういう循環ってすごくいいなと思うんです。

ユメノユア(GANG PARADE)にとっての「至福なオフ」〜音楽を食わず嫌いしないでほしい


最新アルバム『LOVE PARADE』について

―ギャンパレのアルバム『LOVE PARADE』についても聞かせてください。ユアさんが書いた「ALONE」の歌詞は、どういった想いから出てきたものですか?

ユメノユア:「ALONE」の話は……ちょっと長くなるのですが、いいですか?(笑)

―もちろんです。お願いします。

ユメノユア:先日も山手線で人身事故が起こって、駅員さんがそこにいた人たちに対して「撮らないでください」というアナウンスをしていて、その言葉がTwitterでトレンド入りしてたんですね。ビニールシートで隠されているところにみんながカメラを入れようとしていて、さすがに駅員さんが「そういうのは止めてください」「モラルのある行動をとってください」みたいなことを言ってたらしくて。それもすごく気持ち悪いなと思ったんです。変だなって。半年くらい前も、ホストが女の人に刺されちゃったときに、血まみれの写真がTwitterでまわってきたりとかして。そういうものって、前は、自分から見ようと思って検索しないと出てこないような閉鎖的なところにとどまっていたと思うのですが、今は誰しもが見られるところに平気でみんな上げたりするじゃないですか。なんでもかんでもSNSに上げる世界ってどうなのかなと思って、それを書きました。

―注目されたい、承認欲求を満たしたいという気持ちからなんだろうけど、その方法としてはすごく歪んでいますよね。

ユメノユア:きっと、みんな、自分が認められたかったり、それを発信することでコミュニケーションが生まれたりするところに、救いを求めているのではないかなって考えたんですけど……。でもそういう愛情って寂しいし、そうじゃないところに何か救いがあったらいいなと思う。上から目線かもしれないけど「変だぞ」っていうのに気づいて欲しいというか、「なんか違うんじゃないのかな」ってみんなが思えば、何かが変わるんじゃないかなと思って。たとえばそういう写真って、なにも考えずに上げちゃっているんじゃないかなとも思うんですよね。その人にとっては面白くても、他の人にとっては不快感を与えることって意外とある。普通に生きているなかの会話でも、自分は悪気ないのに相手を傷つけちゃうこととかは、誰にでもあるじゃないですか。だから<本当の加害者は 自分だったんだ>という言葉を入れたりしてみました。

ユメノユア(GANG PARADE)にとっての「至福なオフ」〜音楽を食わず嫌いしないでほしい


―最後にひとつ質問させてください。ユアさんって、10年後はどうなっていたいですか?

ユメノユア:10年後は、国民的なグループになっていたいですね。女性アイドルというものが、今変わりつつあるのかなと思っていて。結婚してもアイドルを続けられる方もいて、それって5~6年前とかだと想像できなかった未来だと思うんです。アイドルというジャンル自体に変動が起きているなかで、自分たちはアイドルではあるのですが、アーティストとして見られる数を増やしたいというか。「アイドルだから聴かない」というふうに毛嫌いする人もいると思うんです。それこそPerfumeさんとか、昔はアイドルだったけど今はアーティストとして見られているじゃないですか。今は圧倒的に「GANG PARADE=アイドル」って見る人のほうが多いのですが、そういう存在にどんどんなっていきたいなと思いますね。音楽好きな人にもどんどん知ってもらって、国民的な存在となれるように進んでいきたいです。

ユメノユア(GANG PARADE)にとっての「至福なオフ」〜音楽を食わず嫌いしないでほしい


プロフィール

「みんなの遊び場」をコンセプトに活動する、カミヤサキ、ヤママチミキ、ユメノユア、キャン・GP・マイカ、ココ・パーティン・ココ、テラシマユウカ、ユイ・ガ・ドクソン、ハルナ・バッ・チーン、月ノウサギ、ナルハワールドの10人からなるアイドルグループ。2014年に結成されたプラニメが前身ユニットで、2度の改名とメンバーの増減を経て、2019年4月17日にワーナーミュージック・ジャパン内新レーベル「FUELED BY MENTAIKO」よりシングル『ブランニューパレード』でメジャーデビュー。同年5月に東阪野音ツアーを成功させ、5月26日より同事務所所属グループWAggよりナルハワールドが加入し、現体制での活動をスタートさせる。
https://www.gangparade.com/

(KKBOXライター:矢島由佳子)