沖縄からアメリカに渡り、出産と結婚、愛する夫の死を乗り越えたAwichの歌は、人間の強さと弱さのすべてを表現し聴く側の心に突き刺さる。既にストリートでは女神と崇められるほどの人気を集めるAwichが、2020年8月21日に待望のメジャーデビュー EP『Partition』をリリース。
彼女のルーツと楽曲にまつわる話を聞いた。

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■14歳の時に聴いた2PACのアルバム『All Eyez On Me』の歌詞を教科書のように大切にされたと伺いました。他にも影響を受けたアーティストや本などがありますか?

たくさんあります!沖縄は多くの才能を輩出してきた場所なので、小さい頃は、もちろん安室奈美恵さんにも憧れました。それに続く、アクターズスクール時代のスター達、スピードさんだったり、DA PUMPさんだったりも大好きでした。あとは、小さい頃から詩を書いていたので、Coccoさんの強烈な世界観にものめり込みました。本に関しては、池上永一さんの小説が好きで、自分の島での生い立ちや実体験と照らし合わせて、頭の中で遊んでます。
最近は遅ればせながら、Yuval Noah Harariさんの「サピエンス全史」や「ホモ・デウス」にはまってます。

■アメリカ留学に至った経緯をお聞かせください。またご家族はアメリカ行きを反対されましたか?

アメリカがいつも目の前にあって、アメリカ文化や、言葉に強い憧れを持っていました。沖縄の人はほとんどの人が、LOVE & HATE Relationshipをアメリカに対して抱いていると思うので、親も私がアメリカに行きたがっていたことを珍しいこととは扱いませんでした。アメリカ留学は私にとってとても必然的な流れだったと思います。

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■音楽活動の他に、アメリカで起業学とマーケティング学の学士号を取得されていますが、それぞれ興味をもたれた切っ掛けは?

好きだったからです。
言葉も好きだし、音楽も好き。でも音楽は表現の一部だと思っています。だから、ある意味ツールでゴールではないのかもしれない。起業学やマーケティングについてですが、お金というコンセプトも興味深いし、その流れを追うと、人類の表現の変化もそれに関係してるのがわかる。だからやっぱり、全ては関係しあってると思います。だから好き!

出典元 : YouTube(Awich)

■新曲「shook shook」のMVで密教と仏教の三毒の概念を表現されたり、過去のインタビューでも宇宙科学や人間の精神性についても触れられていますが、創作時に意識される点はありますか?

いろんな物事をズームインしたり、ズームアウトしたりしてみるのが好きです。
小さいことでクヨクヨする人間臭さも好きだし、大きい視野で人類、地球、宇宙の規模で廻りや流れを想像してみるのも好き。そのバランスが好きです。

■これまでの音楽活動を経て、なぜこのタイミングでメジャーデビューを決心されたのですか?

今一緒にやってるチームは、みんな私の音楽や生き方を面白い!って思ってくれて、私も、みんなが協力してくれることに関して感謝しているからです。

■アルバム『8』の「Jah Love」で娘のYomi Jahさんが歌うラップも注目されていますが、普段から親子間でクリエイティブな交流はありますか?

私が作った曲はいち早くきかせています!あと、彼女は自分で洋服をデザインしたり、絵を描いたりするのが好きなので、もちろんいつもその相談に乗ったり手助けしてあげたりしてます!

(KKBOXライター:KKBOX編集室)