『日本人のための声がよくなる「舌力」のつくり方 声のプロが教える正しい「舌の強化法」』(著:篠原 さなえ)
普通にしているつもりなのに、なぜ……? 子供の頃から普通に話しているつもりなのに「機嫌悪いの?」と言われることがコンプレックスでした。特に、電話の声が顕著で、普通に「もしもし」と出ただけで「寝てた?」「怒ってる?」と言われてしまったり……。声が低いのがダメなのかと思っていたのですが、どうやらそれは違ったようです。この本の第7章に長年の私のコンプレックスに対する答えが書いてありました。
それは、「日本語とはこういう音だ」という脳の間違った認識によるものかもしれないということ。声の感じ良さを決定づけるのは“抑揚”、別名イントネーションだというのです。抑揚に欠ける話し方をしているせいで、相手に不快感を与えてしまっているなんて、これまで誰にも教えてもらえる機会がありませんでした。しかも、残念なことにそれは生後間もない頃にすでに決まってしまっているのだとか。
以下に心当たりはありますか?
・両親のどちらかが感情の入らないしゃべり方をしていた
・両親の仲が悪く、不機嫌な会話を聞かされていた
・両親が忙しく、祖父母が面倒を見てくれていた
脳が学習するしくみを研究しているある先生によると、赤ちゃんは、生後6~8ヵ月くらいまでの間に、母国語の特性を、細かい音まで、頭の中で統計的に処理をしながら聞き取っているのだそうです