
このシステムは、緩和ケアフロアの東ウィングと西ウィングにそれぞれある食堂デイルームに設置され、日照条件が異なる東西の空間において、サーカディアン・リズムの観点から室内照明環境について検討されている。
緩和ケア病棟には、多くの天窓が設けられ、射し込む光の変化が患者や家族、病院スタッフに癒しを与えている。
今回のLEDによるサーカディアン・リズム照明システムは、光の昼夜変化を体感できるよう、最上階デイルームに導入された。
人間はこのリズムによって、睡眠から覚醒まで、ホルモン分泌や体温を生理的にコントロールしている。
サーカディアン・リズムに適した室内照明環境下で暮らすことで、生体リズムの維持を図り、生活サイクルの安定化を図ることが期待できる。
日の出(朝)、日中(午前、午後)、日没(夕方)、夜間(就寝前)、深夜(消灯)の5シーンを建設地に合わせ、年間4シーズン(春夏秋冬)ごとに用意した。
天窓があるかのような擬似天空照明や、陽光の入りにくいエリアでの擬似昼光照明にこだわり、同出力のLED照明と比べて最大で30%程度、蛍光灯器具と比べた場合では最大90%程度のエネルギー削減が見込まれている。