
クルムス蛍光体とは、主成分が貝・骨・岩石や塩などに含まれるありふれた元素で構成される酸化物であると同時に、新しい結晶構造を持つ新物質である。
小糸製作所はこのクルムス蛍光体を名古屋大学の澤博教授研究グループとの共同研究により開発している。
クルムス蛍光体を用いた白色LEDは、従来の白色LEDと比べてフラットな分光スペクトル特性(光の波長ごとの強度分布。従来の白色LEDは青色成分に強いピークを示すものが多い)に特徴があり、また発光面積を大きく設計できるため、出演者が光源を直視した際のまぶしさが低減することが可能である。
今回試作された白色LED二種類あり、スタジオでキャスターを照らす「キャスターライト」と、ロケや中継で使用する「ソフトライト」。これらを試用してみたところ、約9割から「試作品はまぶしくない」との回答を得た。
また演出性にも優れているため、5月25日放送予定のNHK大河ドラマ『軍師官兵衛』の第21話にある、官兵衛幽閉シーンの収録ですでに撮影へ使用したという。
今後さらに番組で試用を重ね、番組制作照明機器としてよりよいものとする努力をしていくという。