星野概念×いとうせいこうの対談本『ラブという薬』に学ぶ、あいまいでいることの意味

働いていると、どうしても「生産性」や「費用対効果」などという言葉に縛られ、思考ががんじがらめになってしまいがちなこの世の中。

何らかの救いがあればとビジネス書を手にとるも、「〇〇〇するための10カ条」「〇〇〇になるための法則」といった内容に、かえって強迫観念を助長されるような思いになる人も少なからずいるのではないでしょうか。

そんな”ビジネス書“的強迫観念を和らげてくれるのが、作家・いとうせいこうさんと、主治医である精神科医・星野概念さんとの対談本『ラブという薬』です。

いとうさんがカウンセリングを受けていることを公表し、悩みを掘り下げることで、「悩んでいい、弱くてもいい。けがをしたら外科に行くように、つらかったら精神科へ行けばいい」というメッセージを悩める人に伝えたい。本書にはそんな思いが込められています。

精神科の診察室の舞台裏 Image: YUKO CHIBA

ビジネス書といえば、おしなべてわかりやすく合理的。引きのあるタイトルとムダのない表紙のビジュアルで、その本を読むことで自分が何を得られるかを端的に教えてくれます。

その点、本書『ラブという薬』はタイトルも表紙のイラストも含め「言い切らない」のが印象的。帯にあるのは「きつい現実が、少しゆるい現実になりますように」という、まるで“祈り”のような言葉です。

今回お話をうかがった星野さんも「何も教えはないですからね、この本には(笑)」と笑います。

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