やなぎが「こんなにお洒落な場所ですが、楽曲は結構ポップめなので、皆さん楽しんでいただければと思います」との挨拶に続いては、「Sweet Track」を披露。やなぎのひと声で会場の空気を一変させてしまうような存在感ある歌声はもちろん、弾むようなグルーヴ感を持ったバンドの演奏も力強く、お互いが影響し合いながら、曲が進行するにつれてさらに熱を帯びていく。サビの“誰かが歩き続ければ やがてそこは道になってゆく”といったフレーズを含め、聴き手の背中をダイレクトに押してくれるような歌詞もより心に響く。
続くMCでtokuは、やなぎの作るエレクトロニカ曲が大好きで、尊敬の意味も込めて『bouquet』への参加をオファーしたと説明。やなぎは「めちゃくちゃ褒めてもらえて、表彰式みたい(笑)」と恐縮する。今回のライブは、そういったアルバムに参加してもらった経緯や意図が伝わる内容にしたかったとのことで、次に歌った『凪のあすから』の後期EDテーマ「三つ葉の結びめ」も、“花”や“植物”をモチーフにした『bouquet』にちなんで選んだという(ちなみに「ユキトキ」の歌詞にもアザレアが登場する)。A・Bメロの深海の底に沈んでいくような音世界、そこから一気に浮上するサビで左手を左右に振るやなぎ、それに応えて手を振る観客の姿もまた幻想的な光景だった。