“いつもの「誰も置いて行かないライブ」というテーマに加えて、「音楽人としての自分」をさらけ出せるようなそんなライブ空間にしたい”という決意の通り、音楽家としてのこだわりを詰め込みながらも、すべての人へ手を差し伸べるやさしさを伴い最高の形でライブを開催、ツアーはフィナーレを迎えた。
開演の時を待ち望む会場に突如サイレンの音が鳴り響くと、スクリーンに映し出されたのは今夜の主役・オーイシマサヨシその人の指名手配書だった。どうやら今宵のオーイシマサヨシは捜査網を華麗に躱している逃亡犯のようで、声優・福山潤演じる捜査官にこのステージまで追い詰められたというストーリーが語られる。遂に迫る大捕り物、いよいよ本編がスタート。
ステージを覆っていた幕が下りるとアコースティックギターをかついでオーイシマサヨシが姿を現す。歓迎の拍手が鳴りやむのを待たずに突入したオープニングナンバーは「楽園都市」。レパートリーの中でも随一のファンキーチューンが、ホーンセクションを加えた強力バンドアンサンブルによって増幅され、都会の闇を切り裂く極上のジャズサウンドに仕上がる。ギターからタクトに持ち替えて「乗ってけ!ジャパリビート」で楽しそうにステージを駆け回ったかと思えば、自らの存在意義を克明に描き出す「エンターテイナー」へと繋いで曲ごとに世界観を鮮やかに切り替えてみせ、はやくもエンジンは全開。