『モーニングショー』が「マリーモンド」を“反日ビジネス”と嫌韓フェイク報道! 元慰安婦・性暴力被害者支援ブランドを攻撃

『モーニングショー』が「マリーモンド」を“反日ビジネス”と嫌韓フェイク報道! 元慰安婦・性暴力被害者支援ブランドを攻撃
羽鳥慎一モーニングショー(テレビ朝日)HPより

 ワイドショーでは連日のように韓国バッシングネタが繰り返される暗澹たる状況が続いているが、そんななか、とんでもないフェイクニュースが垂れ流され、視聴者がBPO(放送倫理・番組向上機構)の審議入りを呼びかける事態となっている。

 問題となっているのは、2月27日放送の『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)。

 この日の『モーニングショー』は「文大統領「親日を精算」三・一運動100周年で日韓関係さらに悪化も」と題し、三・一独立運動100周年の節目を直前に控えて、文在寅大統領の発言や、ソウル市議会で発議された公的機関における日本製品不買条例案などを解説した。

 そのなかで、「買い物で愛国心をあおる?“反日ビジネス”盛況」というコーナーがあり、独島化粧品、独島エビ味のカップラーメンといった、政治的メッセージの込められた商品を「反日ビジネス」と称して紹介していたのだが、そこにMARYMOND(以下、マリーモンド)の商品があったのだ。

番組では、マリーモンドのスマホケースが掲載されたパネルを指しながら、司会の羽鳥慎一アナウンサーが「元慰安婦を支援するスマホケースが売られていると。この柄ですね、これが、木蓮、ナデシコだそうなんですけど、これが慰安婦を表現している。で、利益の一部を元慰安婦らに寄付をしている。いままで2億円ぐらい集まっているそうです」と紹介した。

 マリーモンドといえば、「原爆Tシャツ」騒動でBTSへのバッシングが吹き荒れた昨年11月に、TWICEのメンバーのダヒョンがプライベートでマリーモンドのTシャツを着ている姿がネット上に拡散され、ネトウヨ層から嫌がらせの材料にされたことでも記憶に新しい。

 それにしても、『モーニングショー』の報じ方は、見当違いも甚だしい。羽鳥アナの口から発せられたこの説明だけでも十分に「マリーモンドは“反日ビジネス”とは何の関係もない」という説明になっているが、マリーモンドというチャリティブランドの目的は、戦時下に起きた性暴力の苦しみといまでも対峙し続ける女性たちに寄り添い、彼女たちの生活をサポートすることにある。そしてそれは、いまを生きる女性たちの人権問題に向き合うことにもつながっていくことでもある。

 マリーモンドはジェンダーの問題に取り組むブランドだ。そうしたブランドのメッセージと「反日」は何の関連性もない。だから、マリーモンドは日本でのブランド展開もしているのだ。

 マリーモンドは昨年12月から日本でも商品の販売を始めているのだが、MARYMOND Japanのホームページにあるブランドの紹介文には、従軍慰安婦問題だけでなく、あらゆる性暴力問題の解決に向けてチャリティを行うと明記されている。

〈マリーモンドは韓国の若者たちが立ち上げた
ライフスタイルブランドです。
社会貢献するソーシャルビジネスとして
今、世界中の若者たちに愛されています。
売り上げの一部は、「慰安婦」被害者女性たちや
虐待被害児童への支援に寄付されています。
マリーモンドジャパンでご購入されると
売り上げは経費をのぞく全てが
性暴力問題解決のためのプロジェクトに使用されます〉

 マリーモンドの日本展開に携わった作家の北原みのり氏はニュースサイト「BUSINESS INSIDER JAPAN」の取材に対し、「日本への政治的な眼差しではなく、韓国内にある性差別や性暴力にしっかり向き合おうという姿勢です」と、マリーモンドの政治的な立ち位置を改めて確認したうえで、「日本社会はあまりにも女性がエンパワーメントされてないし、声を上げた性暴力被害者がバッシングにあっておとしめられているのを日常的に感じている人も多いと思う」と語っている。

●マリーモンドのメッセージは「反日」ではなく性暴力被害者支援

 マリーモンドが伝えるメッセージは日本社会においても広く伝えられていくべきものだ。性暴力や性差別の問題は国境を超えた普遍的なイシューだからである。北原氏は前掲サイトのインタビューのなかでこんなことも語っている。

「男性にも考えて欲しいんです。『慰安婦』の問題は、国から『男の性なんてこんなもの』と烙印を押されているようなものですよね。それでいいの?と。日韓という国家間ではなく、男女問わず『個人の痛み』の物語だと受け止めて、それを花によって祝福し尊厳を回復する。そんなブランドメッセージを伝えていけたらいいですね」

実は『モーニングショー』のなかでも、不当な「反日ビジネス」扱いを問題視する場面はあった。水曜コメンテーターを務める「AERA」(朝日新聞出版)元編集長で「BUSINESS INSIDER JAPAN」編集長の浜田敬子氏が、番組のなかで、「マリーモンドは反日ビジネスとはちょっと違うと思います。これは(元従軍慰安婦の)おばあさんたちを支援しようというのと同時に、「#MeToo」とかもやっていて、日本にもお店が出ていて、デザインが可愛いから日本の女の子にも人気なんですよね」と、マリーモンドを「反日ビジネス」なる括りに入れようとする番組サイドに苦言を呈した。

 今回の『モーニングショー』のように誤った認識を撒き散らすことは、マリーモンドのみならず、「慰安婦問題」に関する誤った認識を日本社会に撒き散らすことでもある。浜田氏は続けてこのように語っている。

「逆に、一緒にくくることで、メディア側も『反日ビジネスがこんなに盛況』とステレオタイプになってしまうのかなと。マリーモンドのカバンを持っていた成田の空港のスタッフの女の子が日本人の人からすごく文句を言われるみたいなことがあって。そういうイメージをつけてはいけないと思うんですよね」

 浜田氏の指摘通り、今月には、韓国のチェジュ航空から成田空港での地上業務を請け負っているFMGという日本企業が、勤務中にマリーモンドの製品を使用しないよう命じていたことが明らかになっている。

 中央日報によれば、昨年11月に入社した韓国人のスタッフは、日本人のマネージャーから繰り返し指導を受けたという。その理由は、マリーモンドのエコバッグを持っていたからだった。結果的にそのスタッフはバッグの使用を控えざるを得なかったという。

●メディアの嫌韓報道が生み出したネトウヨの“マリーモンド狩り”

 FMGはこのような対応にいたった契機として、マリーモンドの製品に関して「慰安婦支援のブランドではないか」との指摘が社外から入ったからと説明している。

 業務に支障をきたさない私物に対して会社側がこのような制限をかける権利があるかは甚だ疑問だが、おそらくネトウヨによるものであると思われる抗議に会社が過剰反応したのは、今回『モーニングショー』が撒き散らしたような誤った認識が社会に広まってしまっているからである。

 ちなみに、浜田氏の指摘を受けた羽鳥アナは、「はい。まあ、どう受け取るかということですけれども」と、話は右の耳から左の耳に抜けて行ったという空気全開で次の話題に進行させていた。浜田氏の話は理解できていなかったし、そもそも、理解する気もなかったということだろう。

 日韓関係が悪化していくなか、韓国バッシングの企画が日々メディアで垂れ流されている。

 そうした流れのなか、韓国叩き以外の意見はタブーと化した。韓国側に立つ意見はもちろん、「韓国側の意見にも耳を傾けるべき」といった穏当な意見すら炎上の的となってしまっていて、そういったコメントを発することは許されなくなっている。

 これは『モーニングショー』だけの問題ではない。ワイドショーのほとんどすべてが韓国に対して感情的に憎悪をがなりたてる番組になってしまった。

 メディアは安倍政権の扇動に乗って、果てしなく「嫌韓」意識を煽り続けるが、大本営に迎合しひたすら戦意を高揚し続けた戦時中のメディアと何が違うのか。メディアに携わる人間はいい加減、自分たちがいかに危険で愚かなことをしているか、その重大な責任を自覚するべきだ。
(編集部)

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