安倍首相が参院選に向け消費税と年金問題ごまかしのために憲法争点を宣言! 予算委拒否を棚に上げ「憲法議論する政党を選べ」

安倍首相が参院選に向け消費税と年金問題ごまかしのために憲法争点を宣言! 予算委拒否を棚に上げ「憲法議論する政党を選べ」
26日、会見する安倍首相(首相官邸HPより)
       

 狂っているとしか言えない。26日、安倍首相は通常国会の閉会を受けて記者会見をおこなったが、予算委員会の開催を拒否し、国民が不安視する年金問題の追及から逃げてきたというのに「全世代型社会保障元年にふさわしい通常国会となりました」などと宣言。一方的にデタラメな数字やデータを持ち出して、年金問題の正当性を訴えたのだ。

 まず、安倍首相は、年金の話の前に「少子高齢化の時代に避けることのできない課題」として社会保障改革について言及し、こうアピールした。

「10月から年金収入の低いみなさんを対象に、上乗せで年間最大6万円の給付をスタートします。介護保険料も3分の2に低減し、所得の少ない高齢者のみなさんの安心をしっかり確保いたします」

 こう言われると「社会保障にも力を入れているんだな」と勘違いする人もいるだろうが、とんでない。年間最大6万円というのは、月にして最大5000円。しかもこれを受け取れるのは年金に40年加入している人で、払込期間が半分の20年なら半額と、期間に応じて給付額は減る。

 さらに、介護保険料の減額もそうだが、これらは消費増税と引き換えにおこなわれるもの。「所得の少ない高齢者」だけでなく、暮らしが厳しい低所得者ほど消費税の負担は大きくなるというのに、それを安倍首相は「社会保障改革」などと呼び、ついにこの会見中、一度たりとも消費増税には一言もふれようとはしなかったのだ。

 その上、年金問題に言及した安倍首相は、絶句するようなことを言い出した。
 
「年金は老後の生活の柱です。しかし、その財源は現役世代の保険料負担や税金です。負担を増やすことなく、給付だけを増やすことなどできません。現行制度を批判することは簡単ですが、いずれにせよ、年金を増やす打ち出の小づちなど存在しない。そのことは率直に申し上げます」

 おいおい、国民はこの間、「給付を増やせ」なんて言っていない。「“2000万円自助で貯蓄しろ”ってどういうことなのか」「このままで大丈夫なのか」「これからどうなっていくのか説明してほしい」ということだけだ。なのに、問題の報告書を「受け取らない」となかったことにした挙げ句、安倍首相はこの期に及んで”給付を受けたいならしっかり負担しろ。甘えるな”などと国民に向かって宣言したのである。

 しかも、安倍首相は「打ち出の小づちなど存在しない」と言うが、配備予定地のずさんな調査が発覚したイージス・アショアや安全性に疑問が噴出しているF35などの武器は財源など気にもかけない勢いでトランプ大統領から爆買いしている。国民に負担を強いる前に、まずはその金銭感覚をあらためるべきではないのか。

 無論、このあと安倍首相は、国民にムチを振るったあとのアメとして、このような甘言を口にした。

「政策次第で年金を増やすことは、みなさん、十分に可能です。この5年間、新たに380万人を超えるみなさんが仕事に就きました。支え手がしっかりと厚みを増やせば、お一人お一人の保険料負担を引き上げなくとも、保険料収入が増えます」

 一体、どこまで国民を騙そうという気なのだろう。たしかに安倍政権の2012~2018年のあいだに就業者は384万人増えたが、そのうち266万人は65歳以上の高齢者。15~24歳の就業者も90万人増えているが、その内訳は高校生・大学生等が74万人も増えている。また、15~64歳の女性就業者も増えているが、非正規が多く、賃金も低い。つまり、年金では生活できない高齢者や、家計が苦しく働きに出る女性、生活苦の学生たちのアルバイトなど、低賃金で働く人が増えているにすぎないのである。

●「不安煽るな」「対案出せ」「悪夢」とデタラメ野党叩きを繰り返す安倍首相

 年金受給年齢の65歳以上の高齢者や、学生バイト、女性の非正規労働者が生活苦で働かざるを得ない経済状況に陥れながら、それを根拠に「保険料収入は増える!」と主張する──。まったく国民をコケにしているとしか思えないが、恥を知らない安倍首相は、言うに事欠いて、こうアジったのだ。

「私たちの年金を充実する唯一の道は、年金の原資を確かなものとすること。すなわち、経済を強くすることであります。いわんや、高齢者のみなさんにとって大切な年金について、具体的な対案もなきままに、ただ不安だけを煽るような無責任な議論は、決してあってはなりません」

「年金の原資をたしかなものにするには、経済を強くすること」って、政権を6年も担いながらデフレも脱却させられていない安倍首相がよくも言ったものだ。しかも、立憲民主党や共産党はしっかり年金問題の対案を党首討論で安倍首相に突きつけたというのに、またも「対案がない」と嘘を吐いて野党批判に話をすり替え、こう述べたのだ。

「12年前、夏の参院選で、自民党は歴史的な惨敗を喫した。国会ではねじれが生じ、混乱が続くなか、あの民主党政権が誕生しました。悔やんでも、悔やみ切れない。12年前の深い反省が、いまの私の政権運営の基盤になっています」

 国会閉会にともなう総理会見という場を利用して、一方的にデタラメな話を並べ立てた上、“悪夢の民主党政権”と呪詛を唱える……。だが、問題はこのあとだ。

 安倍首相は7月21日投開票となった参院選について、国民に向かって、こう明言したからだ。

令和の日本がどのような国を目指すのか。その理想を語るものは憲法です。しかし、残念ながら、この1年、国会の憲法審査会は衆議院で2時間余り、参議院ではたった3分しか開かれていない。議論すらおこなわれないという姿勢で本当によいのかどうか。そのことを私は国民のみなさまに問いたいと思います」
「しっかりと、この参議院選挙においては、憲法の議論すらしない政党を選ぶのか、国民のみなさまにしっかりと自分たちの考えを示し、議論を進めていく。その政党や候補者を選ぶのか。それを決めていただく選挙であると思います」

 ようするに、安倍首相は「憲法の議論をする政党か否か」選挙の争点だと言い切ったのである。

●年金、消費税…国民の不安を無視し憲法改正で争点ずらしをはかる安倍首相

 安倍首相は改憲による「自衛隊明記」にかんする説明では、「自衛隊員募集に6割以上の自治体が協力を拒否しているから」だの「自衛隊員の子どもが涙を浮かべながら『お父さんは違憲なの?』と言っているから」だのと述べてきたが、いずれもインチキ話であることが判明している(詳しくは既報参照→https://lite-ra.com/2019/05/post-4698.html)。そんなデタラメばかりだというのに、何を議論しろと言うのだろうか。

 だいたい、年金や消費増税という国民の生活に大きくかかわる問題が目の前にあるというのに、なぜ憲法を争点にする必要があるのか。現に、『報道ステーション』(テレビ朝日)がおこなった直近の世論調査でも、「参院選で重視する政策は?」(複数回答可)という質問でもっとも多かったのは「年金・社会保障制度」の60%で、「憲法改正」はわずか16%だった。

 つまり、年金や社会保障を争点すれば劣勢を強いられることがわかっているから、“悪夢のような民主党政権”という7年も前に終わった話を持ち出して国民にイメージを刷り込ませた上で、予算委員会を拒否しつづけたことを棚に上げて「憲法の議論をしない野党でいいのか」と憲法審査会の実施状況を選挙の争点にしようというのである。

 これで、安倍首相がいかに「国民生活ガン無視」であるかがはっきりしたと言えるが、しかし、同時に参院選は非常に恐ろしい選挙になることを意味している。もしこれで安倍自民党が勝利し、衆参合わせて3分の2議席を確保してしまえば、必ずや、選挙後に安倍首相は胸を張って「選挙は憲法を争点にした」「憲法改正について国民に信任を得た」と宣言するのは間違いないからだ。

 国民の暮らしに対する不安に向き合わず、憲法で争点ずらしを図って改正に持ち込む──。そんなダブルの悲劇を現実にしていいわけがない。野党には、選挙戦でも年金と消費増税の問題をぶつけ、ふさわしい争点は何なのかを徹底して国民に問いかけてほしい。
(編集部)

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