〈5/23の後、調査報告書をいつ出すかは、刑事処分がいつになるかに依存している。官邸も早くということで、法務省に何度も巻きを入れているが、刑事処分が5/25夜という話はなくなりそうで、翌週と思われる。〉
刑事処分の発表後に調査報告書を出す──。事実、大阪地検特捜部が佐川氏をはじめ告発されていた財務省幹部および近畿財務局職員計38人の不起訴処分を公表したのは、2018年5月31日のこと。財務省が調査報告書を公表したのは4日後の6月4日だ。つまり、財務省は佐川氏らが不起訴となる結果をすでに把握しており、その上でいつ調査報告書を出すかを決めていたのだ。財務省の調査報告書は完全な出来レースだったのである。
だが、注目すべきは、〈官邸も早くということで、法務省に何度も巻きを入れている〉という部分だ。これは、大阪地検の不起訴処分という捜査結果を早く公表するよう、官邸が法務省に対して圧力をかけていた、ということ。ようするに、政治的独立性を保持すべき検察の捜査結果に、官邸が法務省を通じて介入していたことを、この文書は裏付けているのである。
しかも、当時の法務省事務次官は、現在、違法な定年延長が問題になっている黒川弘務・東京高検検事長だった。本サイトでもお伝えしてきたように、当初は佐川氏らの立件を目指していた大阪地検特捜部の捜査を潰したのは黒川氏だと言われており、実際、黒川氏が官邸の意を受けて捜査ストップに動き、山本真千子・大阪地検特捜部長(当時)と裏取引をおこなったという情報も流れていた。この官邸─黒川というラインが大阪地検特捜部の捜査に介入していたことは、この文書でもあきらかなのだ。