【動画】スピッツ「優しいあの子」ミュージックビデオ
スピッツの全国ツアー『SPITZ JAMBOREE TOUR 2019-2020“MIKKE”』が11月30日、静岡県・静岡エコパアリーナで開幕した。
思えば2017年に行われた『SPITZ 30th ANNIVERSARY TOUR “THIRTY30FIFTY50”』もここからのスタートだった。
ツアー初日特有のドキドキ感とワクワク感。それはお客さんだけでなく、スタッフやそしてメンバーも同じで、この日のライブに立ち会う全員の思いが、会場を包む。そんな空気を切り裂くように太いビートが奏でられ、ライブはスタート。今回のツアーは2020年7月まで8ヵ月間続くロングランツアーだけに、ライブを楽しみに待っている多くのファンのためにも、セットリスト、ライブの全貌を明かすのは控えたいが、もちろんアルバム『見っけ』からの楽曲中心に、名曲の数々、意外な楽曲が次々と披露された。
「初めましての方は初めまして、いつも来てくださる方はご無沙汰してます。ツアー初日の1曲目は声が出るのだろうかといつも不安になるけど、出てました?」と草野が客席に語り掛けると、大きな拍手が起こり「こうなったら楽しい夜にするから、俺たちについて来いよ!! と言いながら自分で自分を誰だこいつって思ってしまいます」と、いつもどおりのゆるいMCに客席は笑顔で聴き入っていた。
「優しい感じのあの曲をやります」という草野の言葉のあと、聴き慣れたイントロを三輪テツヤのギターが奏でると、老若男女、幅広い世代が駆け付けた客席のすべての人が、ステージにグッとひきつけられる様子が伝わってくる。NHK連続テレビ小説『なつぞら』の主題歌で3年2ヵ月ぶりのシングルとなった「優しいあの子」だ。開放的なメロディと優しく降り注ぐ、温かな陽ざしのような歌、その歌に寄り添うようなバンドサウンドが、極上のポップネスを生み出す。全曲を通してとにかく4人が歌と演奏を心から楽しんでいる様子が伝わってきた。
※「崎山龍男」の「崎」は、たつさきが正式表記。
高らかに鳴り響く印象的なギターフレーズから始まる、ダイナミックな展開のアルバムタイトル曲「見っけ」は、歌っているようなベースと、ドラムが叩き出す跳ねたリズム、4人とサポートメンバーのクジヒロコが生むアンサンブルは豊潤で、圧倒的に瑞々しく、まさにスピッツの真骨頂というべき気持ちよさ。20曲以上ヘヴィで激しいロックサウンドと、切ないメロディが交錯し続け、草野の繊細で温もりある声に包まれ、聴き手はそれぞれの思い出と記憶とともに2時間以上ずっと胸を締め付けられる。
草野は最後に「今日は皆さんのおかげで素敵な夜になりました。ひとり欠けてもこの空気にはならなかった。一人ひとり全員にありがとう」と感謝の言葉を贈ると、客席からは拍手と共に「ありがとう」という言葉がステージに贈られていた。
TEXT BY 田中久勝
PHOTO BY 内藤 順司
リリース情報
2019.10.09 ON SALE
ALBUM『見っけ』
ニューアルバム『見っけ』特設ページ
https://spitz-web.com/mikke/album/
『SPITZ JAMBOREE TOUR 2019-2020 “MIKKE”』特設サイト
https://spitz-web.com/mikke/tour/
スピッツ OFFICIAL WEBSITE
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