家族「思い伝わった」 原告以外も救済 ハンセン病家族訴訟

家族「思い伝わった」 原告以外も救済 ハンセン病家族訴訟
首相談話を受けての記者会見に臨む(左から)原告団の黄光男副団長、林力団長、奥晴海さん、原田信子さん、弁護団の八尋光秀共同代表=衆院第2議員会館で2019年7月12日午後2時21分、藤井達也撮影

 ハンセン病に対する根深い差別・偏見と闘ってきた元患者家族が、自らの手で全面解決への新たな道筋を切り開いた。家族への差別を放置した国の責任を認めた熊本地裁判決は、国と原告の双方が期限の12日までに控訴せず、確定。家族たちは、「心からのおわび」を表明した安倍晋三首相の談話を「私たちの思いが伝わった」と受け入れ、真に差別のない社会の実現に思いをはせた。【服部陽、蒔田備憲】

 12日午後、東京・永田町での原告団・弁護団の記者会見。原告の一人、原田信子さん(75)=岡山市=は「本当にうれしい」と声を震わせた。

 8歳の頃、父が療養所に収容された。父がいなくなった後の自宅は、が降ったかのように真っ白になるまで消毒された。患者の家族であることはすぐに知れ渡り、母は勤め先の魚の加工工場を解雇された。母子2人で「食べることもできない生活だった」という。

 談話では、安倍首相が家族と面会することを約束した。原田さんは「子ども時代のつらい思いや苦労が今の気持ちに一番残っている。総理に聞いてほしい」と期待を込めた。

 父が元患者だった原告団長の林力さん(94)=福岡市=は「解決への一つの手掛かりをもらった」と喜びつつ、こう訴えた。「この日を迎えても、ハンセン病の身内がいたことをひた隠しにしている人がいる」

 小学校教師として同和教育に力を注いだ。その陰で、「なぜ父の病気を隠すのか」と葛藤した。悩んだ末の1974年、患者の子であることを著書で明かした。「それが私の、新しい人間の誕生だった」と振り返る。


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