東京都世田谷区のアパート解体現場で10日、作業員2人が死亡、1人が重体となった事故は、階下の発電機から発生した一酸化炭素(CO)が、壁の内部の空洞を伝って作業員がいた部屋に広がったために起きたとみられる。警視庁成城署の再現実験で判明した。建設現場では同様の事故が後を絶たないうえ、発電機は一般家庭でも使われることから、厚生労働省は注意を呼びかけている。
3人はいずれも技能実習生のベトナム人男性。30歳と23歳の2人が死亡した。午前8時半ごろ、解体中の木造2階建てアパートの2階一室で倒れているのを同僚が見つけた。
同署によると、3人がいた部屋のエアコンが動いており、電源として真下の部屋でガソリンを燃料とする発電機を稼働させていた。1、2階とも解体作業に伴い壁のコンセントカバーが外してあり、この隙間(すきま)などからCOを含む発電機の排ガスが2階の部屋に広がった可能性がある。
COは無色、無臭で、軽い頭痛や吐き気の後に意識を失ってしまう。厚労省の2015年の調査では、CO中毒による労災で1年間に5人が死亡、46人に休業4日以上を要する症状が出た。このうち発電機の使用に伴う死者は1人、症状が出たのは9人で全員が建設業だった。騒音や粉じん飛散を防ぐため窓を閉めていたケースなど、いずれも換気不十分が原因だった。
厚労省化学物質対策課の阿部泰幸・中央労働衛生専門官は「会社が作業員にCOの危険性を教育することが大切だ」と話す。
東日本大震災では、停電中に会社や住宅で発電機を使ったことによる死亡事故が宮城県や東京都などで相次いだ。18年の北海道地震でも同様の死亡事故が起き、各自治体が注意を呼びかけている。【土江洋範】
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