いい子症候群とは、大人の顔色を伺い、先回りして親の期待に応えようとする自主性のない状態をいう。教育カウンセラーの諸富祥彦先生によると、いい子症候群になった子どもにはさまざまな兆候が見られるそうだ。

「親の期待に応えなければ自分の存在価値を認められないため、感情も含めて自分の意思を主張できなくなっています。例えば、まったく表情が変わらなくなってしまったり、シチュエーションによってカメレオンのように表情を変えたりするような子もいます」(諸富祥彦先生 以下同)

素直で従順なため、一見問題のないように見えるのだが、自分を押さえ込んでいるために我慢をしている。自分を傷つける行為で感覚を麻痺させ、親が悲しむようにリストカットをするようになる子もいる。さらに、普段“いい子”でいることへの無理が生じて感情を爆発させることもあるそうだ。

「このときに泣いたり、わめいたり、罵倒したり、親に向かって爆発できる子どもだと、親が自分の問題点に気づくきっかけになります。そしてここでわが子の思いを受けとめることができれば、子どもがいい子の状態から解放されることにもつながります」

●親が自分の内面と向き合うことが子を“いい子症候群”にさせない一歩

諸富先生いわく、いい子症候群は視点を変えると、親の行動が子に悪影響を及ぼしているとのこと。ではわが子をいい子症候群にしないために、親が気をつけるべきこととは?

「のびのびと育てることです。わが子をいい子症候群にする一番の要因は、親が子育てで自分の欲求を満たそうとすること。一番多いのは、お母さんが自分のかなえられなかった夢を子どもに押し付けるケースです」