【モデルプレス=2025/11/02】俳優の中島健人が2日、都内で開催中の第38回東京国際映画祭における公式プログラムとして、ケリング「ウーマン・イン・モーション」トークに女優の高畑充希とともに出席。映画業界の変化について語った。


◆中島健人、映像業界の変化語る

自身の経歴を紹介される中で、前編英語の台詞で出演したHuluオリジナルドラマ『コンコルディア/Concordia』のタイトルを「コルコンディア」と紹介された中島は「『コンコルディア/Concordia』です(笑)。また新たなドラマに(笑)。『コンコルディア/Concordia』という作品に出演しております」と優しくフォローしていた。

映像業界における女性をめぐる問題について、「今はインティマシーコーディネーターとか、お子様がいらっしゃる監督さんだったり俳優さん、ありとあらゆる方が現場に子どもが来たり、そういうファミリーデイがあったり。いま誰もが働きやすい環境に進化し続けている最中なんですね。僕はもともと男性として、女性との映画環境を作り上げていくうえでは、共存共栄っていうところを一番ポイントにはしていたので」と語った中島。「改めてこの『ウーマン・イン・モーション』で、女性が映画の環境の中でどのように、さらに力を出して映画づくりに尽力していくかっていうのを、僕の今の世代からの観点で、ちゃんと語れるという風に思っています。僕自身もそうなんですけど、この世代に存在している役者さんというのは、時代の変容の真っただ中にいると思うので。このような場を設けていただけるっていうことがすごく嬉しいですし、今日はいろいろと皆さんとたくさん楽しいディスカッションをできたらいいなという風に思っています」と語っていた。

◆中島健人、キャスティングへの思い語る

キャスティングされること・作品に出演することについて語る場面で、中島は「海外ドラマ『コンコルディア/Concordia』の場合は、ビデオセレクションでしたね。フランク・ドルジャー氏が、日本の中で英語を使える方々の映像を見て。僕がNetflixのインタビューで英語を使っている映像を見ていただいて。
それをきっかけに、この人はちゃんと台詞が話せるかもしれないという風に感じていただけたのか、めちゃめちゃ台詞の長い性悪のエンジニアの役が来まして(笑)」とコメント。「頑張ろうと思って行ってみたら、『コンコルディア/Concordia』の現場は、バーバラ・イーダー監督という女性の監督だったんですね。やっぱり、現場の中心にいる女性はものすごく強いんですね。なので、月曜日から金曜日まで毎日撮影だったんですけど、しごきにしごかれまくって。毎日ワインを飲んではそれをちょっと戻して(笑)。『でも健人、大丈夫。土日には美味しいピザが待ってるわよ』っていう風に、飴と鞭をローマの地にて受けていました」と海外での撮影を振り返った。

ビデオセレクションの後に現地に到着しても、オーディションは続いていたと明かした中島は、デボラに、彼女がキャスティングを手掛ける作品に出演するなら、どんな役がいいかと質問する一幕もあった。デボラは中島が実年齢より若く見えるとしたうえで「大学生の役がいいんじゃないかしら」と笑顔を見せて、中島は今までに演じたことのない役として「スパイのエージェントや侍の役はどうですか?」と売り込んでいた。

映画業界で今後、女性がより活躍するためにできることに関して、中島は「少しずつ、守られる時代に変わってきているなっていう風に思っています。男女のいろんな境界線みたいなものも、ちゃんとボーダーレスになって現場が作られていっていく、そういう時代の途中だと思うんです」とコメント。そして「例えば簡単な話なんですけど、ご飯を食べる時間をしっかり取るとか、家族が現場に来てパパとママがどういうお仕事をしているのかというものがしっかり分かるファミリーデイを作ったり。
そういう少しのちょっとした変化っていうのが、よりこの映画業界が充実していくきっかけにもなると思うし、それに少しずつ気づき始めているのかなっていう風に思っているので。その時代の真ん中に生きている我々としては、よりそれを推進していきたいなという風に、一人の映画人としては考えていますね」と語っていた。

◆「ウーマン・イン・モーション」

「ウーマン・イン・モーション」は、カンヌ国際映画祭の公式パートナーであるケリングが2015年に創設したプログラム。10周年を迎える本年のトークでは、来年3月に授賞式が行われる第98回アカデミー賞で新たに「キャスティング賞」が創設されることを踏まえて、キャスティングの重要性に焦点を当てる。この日はハリウッドを代表するキャスティング・ディレクターのひとりであるデブラ・ゼイン、『遠い山なみの光』など豊富な国際共同制作の経験を持つ福間美由紀、是枝裕和監督も出席していた。(modelpress編集部)

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