<東工大入学式で学長が英語スピーチ>日本人ばかりの状況で英語を使うことに意味はあるのか?[茂木健一郎]

茂木健一郎[脳科学者]

* * *

東工大の学長さんが、入学式で英語のスピーチをされたという。大学国際化に向けての試みらしい。それ自体は、意味のあることだと考える人が多いだろうけれども、私は「どうなのだろう」と、疑問に思う。

私は以前から、教育の国際化、英語の重視を主張しているから、「大学の入学式で英語でスピーチするというのは素晴らしい」と評すると思われているかもしれないが、そういうことではないのである。少し、補足させていただきたい。

まず、言語自体の間に優劣はない。英語で表現できることは、日本語で表現できるし(ほぼ)、逆もまた真である。従って、英語を使っているからと言って、そのことですぐに内容が高度になるとか、そういうことではない。

東工大の学長さんのお話は、記録を読むと、とても立派で素敵なことをおっしゃっていると思う。しかし、同じことを日本語で言われても立派で素敵なのであって、特に英語で言われる必要はなかったのではないかと思う。

私の言語政策は、「プラグマティズム」に尽きる。ある文脈で英語を用いることで、実際的にどのような意味があるのか、効果があるのかということを追求する。実際上の必要がないのに、特に英語を話す必要はないと思う。

【参考】<ハーフでハーバードMBA>ショーンKを作ったのは「あるべき姿」をもとめる世間だ

大学の研究室などで、ゼミなどで敢えて英語を使うという話を聞くことがある。しかし、日本人しかいないのに、敢えて下手くそな英語を話す実際上の必要はないと思う。日本語でやった方が、よほど迅速で高度な議論ができる。

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