新標語「統計の、不正で作る、好景気。発覚したら、部下のせい」-植草一秀
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植草一秀[経済評論家]

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国会で統計不正問題が論じられているが、安倍内閣に寄り添うメディアが事実を歪めて伝えている。統計不正問題は二つに分けて論じる必要がある。ひとつは、法に定められた統計の調査方法等が厳正に守られず、そのために失業給付等が過小になってきたという問題。
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支払われるべき給付が支払われなかったという事態を引き起こしており、これはこれで重大な問題だ。このような不正が長期間にわたり放置されてきた。問題の根源にあるのは統計に従事する職員数が大幅に削減されてきたこと。

だからと言って、法律違反が許されるわけではないが、職場の実情を十分に精査しない予算編成が行われてきたことにも責任の一端がある。いまひとつの問題は、安倍内閣がアベノミクスを良く見せるために、統計に広い意味の「偽装工作」を行ってきたとの疑惑である。

安倍内閣は、「隠ぺい、改ざん、偽装、ねつ造、開き直り内閣」と言われている。公文書のねつ造、改ざんは刑法に触れる重大犯罪だ。安倍内閣が刑事司法を不当に支配しているから、この重大犯罪が適正に立件されていないが、刑事司法が適正に機能しているなら、政府関係者から逮捕者が続出し、重い刑罰を科せられていたと考えられる。

今回は公文書のねつ造ではなく、公的統計の改ざん疑惑である。この問題は極めて重大である。偏向メディアは、「官僚の問題」や「歴代政権の問題」などを強調して、責任追及が安倍内閣に向かわないように情報を操作しているが、問題を二つに分けて分かりやすく論じる必要がある。