<上級国民は逮捕されない?>刑事司法の不正を放置してはならない -植草一秀

植草一秀[経済評論家]

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4月19日、池袋でトヨタ製乗用車プリウスが暴走し、自転車で横断歩道を渡っていた松永真菜さんと、娘の莉子ちゃんを殺害する事件が発生した。加害者は87歳の無職・飯塚幸三氏(旧通産省・元工業技術院長)である。この事件の加害者はいまなお逮捕されていない。
<上級国民は逮捕されない?>刑事司法の不正を放置してはならない -植草一秀
歩行者をはねて殺害する事故が多発しているが、基本的に加害者の運転者が逮捕されている。下級国民は逮捕され、上級国民は逮捕されないとの批判が広がったが、説得力のある説明が示されないまま現在に至っている。刑事司法の取り扱いは国家の根幹に関わる重要事項である。

1789年に制定されたフランス人権宣言。最重要の規定は自由権を奪う刑事司法の行使に対する明確な規制だった。

*罪刑法定主義

*適法手続き

*無罪推定原則

などの規定が明記された。国家権力が身体の自由を奪うのが刑事司法である。その行使に対して厳重なチェックが加えられなければならない。ところが、日本では、この刑事司法制度が前近代に取り残されたままなのだ。これを象徴する事件が池袋暴走殺人事件に対する刑事司法当局の対応である。

事件を起こした車は左側面をガードパイプに接触した後、速度を上げて約70メートル先の交差点に進入して自転車で横断中の70代男性をはねた。さらにその先の交差点で松永さん親子をはねた。車は時速100キロを超すスピードで横断歩道に侵入したが、信号機はいずれも赤信号であったと見られている。トヨタ製自動車プリウスの構造上の問題が原因との可能性が指摘されたが、その後の捜査によって、自動車に異常は確認されていない。通常、警察当局は、この種の事件の加害者を逮捕して取り調べを行う。ところが、今回の事件では加害者が逮捕されておらず、メディアは加害者に敬称をつけて報道した。

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