※イメージ画像:『どうも、どうも イモトアヤコでございます。』集英社

 お笑い芸人のイモトアヤコ(28)が8日、人気バラエティー『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)の企画で登頂する世界最高峰・エベレスト(8848メートル)への出発を報告した。

世界の名だたる山々を制覇し、当初から企画の目標として掲げられきたエベレストへの挑戦にまでこぎ着けたイモト。ネット上では、応援コメントが殺到する一方で「バラエティーの範疇を超えている」などと批判も寄せられている。

 「いよいよこれからエベレスト挑戦に向け日本を立ちます」とブログで切り出したイモトは「初めて本格的な登山をしたキリマンジャロから早5年。まさか本当に自分が世界最高峰に行くとは未だに実感ありません」と心境を吐露。内村光良ら『イッテQ』のメンバーに送りだされたといい、その期待を背負って「エベレストに挑戦できることを本当に誇りに思うし、成功させて誇りになりたいと思います」などと決意を綴っている。

 同番組の『イッテQ!登山部』が誕生したのは09年。

一昨年、イモトは標高4478メートルのマッターホルン登頂に成功し、昨年には標高8163メートルのヒマラヤ・マナスルも制覇。企画の発足から僅か5年で世界最高峰への挑戦になった。

 プロの登山家でも失敗するような山々を制覇したイモトの身体能力は驚異的であり、エベレスト登頂も問題ないという声は多い。その一方、ここ数年はイモトは人気上昇によって仕事が増加しており、十分な準備ができていないとの意見もある。

「現在のイモトはレギュラーを4本も抱えながら、年間200日の海外ロケが当たり前という多忙ぶり。これまで以上に訓練と体力作りをしなければいけないのに時間がとれず、かなり準備が急になっている。

最近、イモトの顔がパンパンに膨れ上がっていたことが話題になりましたが、それは登頂のために歯の治療をしたためだった。本来ならもっと早く時間を掛けて治療しておかなければならなかったのに、本番が迫ってからやっと病院に駆け込み、急いで治療してもらったという有様でした」(芸能関係者)

 無事に登れるのか心配になってしまうところだが、本来ならタレントの安全を第一にすべき日本テレビの配慮も果たして十分なのか怪しい部分があるという。

「イモトが最初にブレイクしたのは、エサを身体にくくりつけてコモドドラゴンに追いかけられるという同番組のロケでした。これはリハーサルすらなく、万が一転んだり追いつかれた時の対処法も全く用意していないという無謀さだった。他局も含めてテレビ局のスタッフはプロデューサーの指示や納期を第一にしてしまい、安全対策をおろそかにして収録中に事故が発生することがままある。そんなノリでも今まで企画が成功していたのは、彼女の身体能力の高さに助けられていた部分が大きかった。

しかし、さすがにエベレストではそうもいかないでしょう」(前同)

 関係者によると、日テレ局内でも「エベレストはさすがに危ないのでは…」との慎重論があったが、イモトの登山企画は毎回のように高視聴率を記録しており、数字優先の現場の声にかき消されてしまったという。

 その一方、逆に「エベレストならそれほど心配ない」という驚くような意見もある。

「近年、エベレストはルートや攻略法が確立されたこともあり、登頂の失敗は非常に少なくなっています。1990年から2006年までの16年間で4549人が挑戦し、そのうち死亡者は64人。死亡率1.41%で8000メートル級の中では非常に生還率が高く、ここ10年ほどに限っていえばもっと死者は少ない。観光ツアーまで組まれている状況ですから、今までのように極地法で比較的安全なルートから登頂を目指せば心配はそれほどない。

むしろ、死亡率17.85%の“死の山”といわれるマナスル登頂の方が本当に危険だった」(登山関係者)

 「極地法」とは、大勢のスタッフやガイドが物資とルートを確保し、最終的に少数の登山者で頂上を目指す登山法。安全性が高いものの、高額の費用が必要であり大量のゴミが山に残るなどの問題点もある。だが、プロの登山家ではないイモトにとって大事なのは安全であり、この極地法で今回も山頂を目指すことになるだろう。

 前回に比べれば安全性が高いとしても登山は不確定要素が多く、万が一の事態が起こる可能性は誰にも否定できない。現在も回収されていない遺体がエベレストに残されているという残酷な事実もある。視聴者からも「芸人にここまでさせるのはおかしい」「何かあったらどうすんるだ」「イモトに触発された素人が登って事故が起きるパターンが増えそう」などといった批判も少なからず起きている。

 とにもかくにも安全第一でイモトが無事に戻ってくることを祈るばかりだ。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)