目次
  • コレステロールには悪玉と善玉がある
  • コレステロールが低すぎる場合に起こること
  • いつまでもイキイキとした毎日を過ごすための食生活のコツ
  • コレステロールには悪玉と善玉がある

    コレステロールは、細胞膜やホルモン、胆汁酸などを作る材料になります。また、コレステロールには「LDLコレステロール」「HDLコレステロール」の2種類があります。

    LDLコレステロール 【基準値:60~119 mg/dL以下】

    LDLコレステロールは、体内でつくられたコレステロールを全身に運ぶ役割があります。

    通常、LDLコレステロールは細胞内に吸収されますが、多すぎると血管壁に溜まり、動脈硬化の原因にもなります。そのため、LDLコレステロールは悪玉コレステロールとも呼ばれています。

    HDLコレステロール 【基準値:40mg/dL以上】

    HDLコレステロールは、血管内の増えすぎたコレステロールを回収します。LDLコレステロールと真逆の働きをすることから、善玉コレステロールと呼ばれます。

    HDLコレステロールが少なすぎると、動脈硬化のリスクが高くなるため注意が必要です。

    コレステロールが低すぎる場合に起こること

    一般的にコレステロールの数値が低いほど健康的だと思われがちですが、低すぎてもいけずHDLコレステロールは適切な数値を保つことが大切です。

    国立がん研究センターの報告によれば、HDLコレステロールは動脈硬化を防ぐことで、認知症リスクを低下させる可能性が示されています。

    動脈硬化になると脳の血管も固くなり、脳の血流が悪くなります。すると、脳の血流悪化によって発症すると言われる「脳血管性認知症」のリスクが上がるのです。

    血中コレステロールは低すぎると危険!認知症リスクを下げる食生...の画像はこちら >>

    コレステロール以外にも気をつけたい成分

    コレステロール以外にも、認知機能を保つために必要とされる血液成分を紹介します。

    赤血球(ヘモグロビン値) 【基準値:(男性)14.0~18.0g/dL(女性)12.0~16.0g/dL】

    赤血球(別名ヘモグロビン)とは、酸素を全身に運ぶ細胞のこと。貧血状態を判断する際に用いられる数値です。

    実は赤血球も、認知機能と関係があります。ある研究で、認知症のない人の経過観察をしたところ、貧血症状がある人は、貧血症状がない人に比べて約41%もアルツハイマー型認知症になりやすいという結果が出ました。

    現在、因果関係ははっきりとしていませんが、貧血による酸素供給不足により、細胞や神経がダメージを受けているのではないかと考えられています。

    アルブミン 【基準値:3.9g/dL以上】

    アルブミンとは、血液成分中に含まれるタンパク質のうち、約60%を占めるたタンパク質のことで栄養状態の指標とされています。

    アルブミンの大きな役割は血管の浸透圧の維持です。アルブミンが少なくなると、浸透圧を維持できず、血液量が減ったり、腹水や肺水腫の原因になったりします。また、血液中の物質を目的地まで運搬する役割があるのも特徴です。

    アルブミンが少ないと低栄養になるだけでなく、認知機能低下にもつながります。

    一般的に、食事量が少ないとタンパク質が不足しがちです。タンパク質が少ないと筋力が低下し、動くのが面倒になり、食欲までも低下するという悪循環に陥ります。

    そして、1日中ただボーッと過ごすだけになり、脳に刺激がなく、認知機能も低下するとされます。

    いつまでもイキイキとした毎日を過ごすための食生活のコツ

    認知機能を保ちながら、いつまでもイキイキとした生活を送るためには、食生活に気をつけてみましょう。

    HDLコレステロールを維持するコツ

    HDLコレステロールを増やす食品は、現在見つかっていません。しかし、HDLコレステロールを下げずに、中性脂肪やLDLコレステロールを減らす方法はあります。

    例えば、オリーブオイル、青魚(イワシ、アジなど)です。オリーブオイルに含まれるオレイン酸や、青魚に含まれるEPAやDHAには、HDLコレステロールを保ったまま、LDLコレステロールを下げる働きがあります。

    オリーブオイルは加熱するよりも、そのままサラダにかけるなど生食がおすすめです。

    赤血球を増やすコツ

    赤血球を増やせば、貧血症状の改善につながります。鉄分を多く含む食品は赤血球を増やす効果があるので、積極的に摂りましょう。

    鉄分を多く含む食品

    レバー、赤身肉、赤身魚(カツオ、マグロなど)、あさり、卵、大豆製品(豆乳、厚揚げなど)、小松菜、ほうれん草など

    植物性の食品に比べ、動物性の食品は鉄分の吸収率が良くなります。ただし、動物性食品だけに偏ると、中性脂肪が増えてHDLコレステロールが減る可能性があるので、バランスよく食べることが大切です。

    また、鉄分の吸収率を上げるために、ビタミンCを多く含む食品を一緒に食べると良いでしょう。

    ビタミンCを多く含む食品

    ピーマン、ブロッコリー、キウイフルーツ、柑橘類など

    ただし、コーヒーや緑茶、紅茶などに含まれるタンニンは鉄の吸収を妨げるので、食後の飲み物は水や麦茶を選ぶのが良いでしょう。

    アルブミンを増やすコツ

    アルブミンを増やすには、タンパク質を多く含む食品を積極的に摂りましょう。

    タンパク質を多く含む食品

    肉、魚介類、卵、大豆製品、乳製品など

    血中コレステロールは低すぎると危険!認知症リスクを下げる食生活のポイント
    血中成分を維持・増加する食品

    これらの食品を偏ることなく、まんべんなく食べるのがコツです。食事だけでタンパク質を確保するのが難しければ、間食に乳製品や卵を使用したおやつを取り入れたり、タンパク質を強化したサプリメント食品などを活用しましょう。

    日々の食事内容に気をつけるだけで、認知症リスクを減らせるので、この機会に食事内容を見直してみませんか。