2023年7月、多発性骨髄腫に罹患したことを公表した岸博幸氏。2024年3月には、治療の様子や入院中の思いを綴った『余命10年 多発性骨髄腫になって、やめたこと・始めたこと。

』を出版。経済産業省官僚、総務大臣秘書官などを務めてきた岸氏に、余命宣告を受けてからの心境の変化や、経済学に基づくグローバルな視座から介護業界が抱える課題について考えを聞いた。

5年ぶりの人間ドックでがんが発覚

―― 昨年、多発性骨髄腫に罹患していることを公表されましたが、どのような経緯を経て病気が分かったのでしょうか。

岸 妻や知人から立て続けに「顔色が悪い」と言われたことから、仕事の合間を縫って5年ぶりに人間ドックを受けたんです。すると、初日の検査終了後にクリニックの院長からこう言われました。

「血液検査で異常な数値が出ているので、血液疾患の疑いがあります。すぐに血液内科の専門医を受診してください」と。

それから10日後、人間ドックの先生に紹介された都内の病院で精密検査を受けたんです。すると多発性骨髄腫であることが分かりました。今から1年半前の2023年の1月のことです。

―― それまで特に病気の兆候などはなかったのですか?

岸 全く気付きませんでした。 地方への出張帰りは、飛行機や新幹線に乗った途端に寝てしまうことや、スキーで転んだあと胸の骨にヒビが入ったことなどがあったのですが、「すべては歳のせいかなぁ」なんて思っていたんです。

あとで分かったことですが、これらは多発性骨髄腫の影響でした。

出張帰りに寝込むのは貧血による症状であり、胸の骨にヒビが入ったのは骨がもろくなっていたからだったんです。

「余命10年」の岸博幸氏が語る、人生観の変化と介護業界の未来
岸博幸氏のインタビュー写真

―― それまでは大きな病気の経験はあったのですか?

岸 子どもの頃から体が丈夫だったので、それまで大きな病気をしたことはありません。大人になってからも体を鍛えるのが好きで、時間があればスクワットやロッククライミングなどをしていました。

50歳になって総合格闘技団体RIZINの運営に関わるようになってからは、プロの格闘家にキックボクシングや柔術を教わったりもしていました。

二人に一人はがんになる時代だとはいえ、まさか自分がこんな大きな病気にかかるなんて思ってもいませんでした。

―― 多発性骨髄腫の罹患率は、男性が10万人に6.4人、女性が5.2人という調査結果があります(※)。この数字だけ見れば、自分が罹患するとは想像しがたいかもしれませんね。

※出典:『全国がん罹患データ』(国立がん研究センター)

60代以降になると多発性骨髄腫に罹患するリスクが高くなりますが、この病気は、初期にはほとんど自覚症状が出てきません。血液検査によって初めて病気だと分かるケースも少なくないようです。

だからこそ、もっと早く人間ドックを受けておくべきだったと後悔しました。

―― 病気が分かってからは、どのように治療を進めていったのですか?

岸 診断を受けたとき、すぐに入院して治療を受けることを勧められました。不整脈を起こしたら命に関わるからって。

しかし、そのときは1ヵ月先までほぼ休みなく埋まってしまっていて。仕事人間の僕は、どうしても仕事に穴をあけたくありませんでした。

悩んだ結果、翌月まで通院で治療を受けることにしたのです。そして、病を知らされてから40日後にようやく一度目の入院ができました。

―― 入院時はどのような治療を?

岸 一度目は二週間ほど入院したのですが、骨のなかに溜まった骨髄腫細胞を血管に押し出して尿とともに体外へ排出する治療を受けました。

そして、約4ヵ月後に造血細胞移植の治療を受けるための二度目の入院をしました。抗がん剤の投与が終了した翌日からは、カテーテルを通じて造血幹細胞の移植をしたんです。

「余命10年」の岸博幸氏が語る、人生観の変化と介護業界の未来
治療方法について語る岸氏

余命の宣告が人生を変えるきっかけになった

―― 抗がん剤治療は副作用が辛いと聞きますが、いかがでしたか?

岸 移植のあとの数日間は吐き気と食欲不振の副作用に悩まされました。抗がん剤の投与から約5日間はひどい二日酔いのような状態でしたが、それ以降は徐々に回復して食事やリハビリができるようになりました。

そして、6週間かかってもおかしくない治療なのに4週間という最短ルートで退院できたんです。

―― それは何か要因があったのでしょうか?

岸 医師いわく、基礎体力があったことがスピーディな快復につながったようです。今まで、体を鍛えるのが好きという理由で筋トレを続けてきただけだったので、こんなときに役立つとは思ってもみませんでした。

―― 普段から運動習慣をつけておくことは大切ですね。

岸 運動の大切さを実感しましたね。今も体を動かしたくなるのですが、激しいトレーニングは医師から止められています。だから、週に二回皇居を1周ランニングすることで運動を続けています。

―― 病気が発覚してから変わったのは、どのようなところでしょうか。

岸 医師から残りの人生の時間を告げられたことは、妥協して生きてきた数十年の人生を変えるきっかけになりました。

医師から「今は多発性骨髄腫の治療技術が進んでいるので、岸さんの年齢なら10年~15年は大丈夫でしょう」と言われたんです。担当医からすれば、楽観的な思いを込めて伝えてくれたのかもしれません。

でも、自分が想像した半分ぐらいの時間しか残されていないんだと感じました。 何となく80歳ぐらいまでは生きられるかな、と思っていましたから。

だから、おおよその余命を告げられたとき「残された人生、本当に自分が望むことのために生きたい」と思ったんです。

「余命10年」の岸博幸氏が語る、人生観の変化と介護業界の未来
余命の宣告が人生を変えるきっかけになったと語る岸博幸氏

―― 余命が分かったことで人生を見つめ直すきっかけになったと。

岸 そうですね。

僕は、45歳で結婚して家庭を持ちました。それからは、家庭を守るために自分のしたい仕事より安定した収入が入る仕事を選ぶようになりました。そして、自分がワクワクすることに蓋をして“昨日の延長”で毎日を生きてきました。

だから、これからは自分自身の“ハッピー”と“エンジョイ”を軸にして仕事をしていくことを決めました。特に政治などの活動を通してずっと力を入れてきた“社会の変革”のための仕事をしていきたいですね。

介護休暇が浸透しても介護離職問題は解決しない?

―― ご著書のなかにお母さまが重度の認知症であると書かれていましたが、岸さんはどのように介護をしているのでしょうか。

岸 僕の母は施設には入っていません。デイサービスにお世話になりながら、おもに姉が介護しています。ときどき僕と交代する二人体制なので、今までどうにか続けてこられました。

―― 施設入居をせずに介護をしている方のなかには、自分のやりたいことよりも介護を優先している方も多くいらっしゃいます。岸さんは、在宅介護を続けるためにどのようなことを大切にしていますか?

岸 介護において一番大変なのは、介護する側のストレスですよね。うちは、姉がストレスを溜めすぎないよう、上手にストレスを発散してもらっています。おいしいものを食べるとかしてね。

デイサービスなどの介護サービスを利用することは、介護を一人で抱え込み過ぎずに、自分が望む生き方をするために必要不可欠だと思います。

―― 一方で、介護をするために仕事を辞めてしまう方が一定数います。介護休業や介護休暇などの制度もありますが、この問題について、企業や社会でどのようなサポートをしていくべきだと思いますか?

                                       

岸 僕は、もう少しすると介護休業が当たり前に取れる世の中になってくるのではないかと思っています。 なぜなら、以前、保育において同じ問題が起こっていましたが、現在はかなり育児休業が定着しているからです。

ただし、介護休業制度が定着することで介護離職問題が解決するかといえば、おそらく解決しないでしょう。

「余命10年」の岸博幸氏が語る、人生観の変化と介護業界の未来
岸博幸氏インタビュー写真

―― なぜでしょうか?

岸 高齢者の数がどんどん増えていくからです。介護が必要になった高齢者全員が安心して過ごせる介護施設に入れるかというと、なかなか大変です。

現在、多くの介護施設は人材不足の問題を抱えています。人が入ったとしても待遇が良くなければ辞めてしまう人も多い。そのような状況であれば、介護施設で十分な人数を受け入れることができず、在宅介護を続けざるを得ない人も増えていくでしょう。介護難民が増えてもおかしくありません。

富裕層はお金があるので、費用の高い介護施設に入れるかもしれない。

しかし、それは一部の人たちだけです。多くの方々が守られた環境で介護を受けられるのか、とても心配です。

さらに、今後は介護保険の負担が増えることも問題になっていくでしょう。

低賃金のままでは外国人から選ばれない国になる

―― 介護士の賃金問題は長らく問題視されながら、なかなか解決されない現状があります。

岸 そもそも日本は、製造業などに比べてサービス業の収入の水準が低い。そのなかでも政府が管理している職業は、さらに給料が安い傾向にあります。介護士だけでなく、保育士や看護士、学校の先生などもそうですね。

国が決めている仕事の賃金を上げようとすると、そのための財源を要求する必要があります。さらに地方自治体も給料を上げられるよう働きかけることが必要です。

―― 2024年度の介護報酬改定では、+1.59%のプラス改定となりましたが、依然として賃金問題は解消できていない部分もある印象です。

岸 お給料が上がるといっても、大きく変化があるわけではないと思います。少しだけお給料を上げたって、あまり意味がないわけですよ。

今、コンビニやスーパーもかなり給料を上げています。そうしないと、人手が集まらないんですよ。都心部のあるスーパーでは、深夜・早朝アルバイトの時給は1,700円ぐらい払っています。

介護士の賃上げについて、政府は「頑張ってます」と言うのですが、個人的には少し疑問が残ります。財源の問題はもちろんありますが、財源はほかから持ってくればいい。少なくとも、産業として介護に人が来ない構造になっているわけですから。

「余命10年」の岸博幸氏が語る、人生観の変化と介護業界の未来
介護報酬改定について語る岸博幸氏

―― 抜本的な改革が求められていますね。

岸 一つは、外国人労働者が来るから安い給料でいいという考えがあるのかもしれません。 しかし、円安が続いている状況です。

外国人労働者もお金を稼ぎたいわけですよ。低賃金での雇用を続けていると、5年・10年という長いスパンで考えたとき、外国人から選ばれない国になってしまいます。

だから「財政が大変だ」とか四の五の言わずに、政府に主導権があるエッセンシャルワーカーの賃金を上げるしかないです。

高齢者問題の解決には予算が必要だと腹を括るべき

―― ちなみに、高齢者支援や子育てなどの予算をどこに使うかは、人口の多さに比例するところがあるのでしょうか?

岸 そこは最後はバランスによるんです。年金の支給額などのいろいろなものを考えると、当然ながら若い世代よりも高齢者への給付が多い。バランスが悪いので少子化対策だと言っていますが、少子化対策でお金を使うことで出生率が上がるかと言えば、上がりません。

これはもう世界の例が明らかです。シンガポールでは、今の日本が取り組んでいる少子化対策の施策は、2000年くらいからすべて取り組んできました。でも出生率は下がっています。

逆に、フランスは出生率を上げたと言われています。

しかし、データを分析してみると、純粋なフランス人の出生率は上がっておらず、移民の出生率が上がっている状況です。移民の方は、移住先の土地で子孫を増やしたいと思う方が多いようです。

―― 少子化の問題は、個人の生き方や考え方が多様化してきたことにも原因がありそうですね。

岸 そうですね。今は独身でいることを選ぶ人や、結婚しても子どもを持たない人も増えましたから。

政府が少子化対策にある程度のお金を使うのは良いのですが、これから、より深刻になるのは高齢者の問題です。だから、高齢者の問題にお金がかかるのは仕方ないと腹を括るべきなんです。

将来的に高齢者介護の産業規模は製造業に匹敵するかもしれないと言われています。だから、現状を変えることに対して今以上に力を入れていくべきですよね。

「余命10年」の岸博幸氏が語る、人生観の変化と介護業界の未来
高齢者介護の産業規模が製造業に匹敵する可能性があると語る岸博幸氏

労働生産性やGDPは低下している

―― 岸さんが現在、特に危機感を感じている問題とは何ですか?

岸 個人の豊かさが実現されていないことですね。

日本は、企業にはお金があるけれども、そのお金が個人に回っていない現実があります。例えば企業の内部留保は日本全体で550兆円で、企業が持っている現金預金も330兆円あります。

でも、働く人の収入の水準は他の先進国と比べると非常に低いんですよね。働く日本人の平均年収は、およそアメリカの半分以下ですから。

日本人一人当たりの労働生産性も、OECDという先進国連合のなかで38ヵ国中、31位まで落ちました。ついでに言うと、一人当たりGDPという取得水準は3万3,950ドルで世界34位です。

2000年には、世界第2位だったにもかかわらず、24年の間に30ランク以上落ちてしまいました。プエルトリコやイタリアにはすでに追い抜かれ、台湾と韓国にも抜かれそうな位置にいます。

ちなみにGDPにおいて日本より上位にいるイタリアは、働くことより人生を楽しむことに重きを置いている国で「ヨーロッパの問題児」と呼ばれていた時代がありました。仕事は早々に切り上げて、ディナーに3~4時間かけるような習慣があります。

イタリア人の傾向は数字にもあらわれており、約6,000万人の人口のうち働いている人は約2290万人で、就業率38%ほどです。一方、日本は、人口約1億2500万人のうち、働いている人は約6747万人で就業率54%ほどになります。

真面目に長時間働いても豊かにならないうえ、プライベートもあまり楽しめていない日本人は多い。それなのに、仕事よりもプライベートを満喫する傾向のイタリアよりGDPが低いのです。残念としか言いようがない状況ですよね。

「余命10年」の岸博幸氏が語る、人生観の変化と介護業界の未来
日本のGDP低下の現状を語る岸博幸氏

休息と生産性アップの両方が大切

―― そのような現状を変えるためには、企業や労働者にどんなことが求められますか?

岸 一人当たりのGDPを上げるためには、企業の努力とともに働く人にとっても生産性を上げることが不可欠です。

収入は生産性に直結します。 個人が生産性を上げるには、知識やノウハウを得る努力を続けることです。

ただ、今は生産性を上げることとは正反対の風潮になっています。 政府が打ち出した働き方改革が、実際は、働き過ぎないための休み方改革になっているのです。ワークライフバランスという言葉も、ときに都合良く解釈されてしまっている。

体を休めて英気を養うための休息は必要ですが、むやみに休みばかりとっても生産性が上がることはありません。収入はそこそこのままでプライベートを充実させたいと考えるのは低位安定を目指すことに等しいと思っています。

もうひとつ懸念することは、四六時中スマホばかり触って過ごしている人が増えたことです。YouTubeやTikTokなどの短い動画ばかり見て世の中のことを知ったような思いになり、自分の頭で考えなくなっている人が増えています。この状況も変えていく必要があるでしょう。

―― 本を読まない人が増えてきているのか、書店の閉店が続いていますね。

岸 ネットに限定しないで、紙の本の消費や新聞は大事だと思っています。五感を使って、じっくり考えながら知識をインプットすることができますから。

僕はネットで情報収集し過ぎないで自分の頭で考える時間をかなり取っています。やっぱりそれが大事ですよね。天才物理学者と呼ばれたアインシュタインでさえも「想像力は知識より重要である」と言っていますから。

「余命10年」の岸博幸氏が語る、人生観の変化と介護業界の未来
本や新聞を読んで、自分の頭で考える時間を大切している

斬新なアイディアは人間のなかから生まれる

―― 自分の頭で考える力を鍛えることは、どのような点で大切だと考えていますか?

岸 斬新なアイディアを生むためですね。アイディアは人間のなかからしか出てこないと思っています。

僕は、仕事は2種類に分かれると思っています。自分の頭で徹底的に考えて新しいものを作り出すクリエイティブな仕事と、メールの対応や書類の準備などのあまり考えなくても処理できる仕事。

後者の仕事は、本来、デジタルをフルに活用してなるべく短時間で済ませることが大切です。できればデジタルに全部処理してもらって、新たなアイディアを生むような自分にしかできない仕事に時間をかける方がいい。

しかし、このような仕事の仕方を実践している人は限られています。会社も個人ももっとデジタルを活用しないと、個人の生産性はなかなか上がりません。

―― 後者の仕事においてはAIの活用が思い浮かびます。AIと言えば、生成AIに人間の仕事がとって変わられるのではないかと不安視する声が上がっていますが、岸さんはどうお考えですか?

岸 将来は分かりませんが、現時点で恐れることは全くないと思っています。そもそもAIが出してくれるアウトプットは、基本的にある時期からネットワークに蓄積されたデータをつなぎ合わせたものです。端的に言うと、検索がより高度になっただけと捉えることができるんですよ。

ルーティンワークをこなすためには便利ですが、インターネットで検索して出てくる情報がクリエイティブなアウトプットに直結するわけではありません。だって、ネットで検索したら出てくる情報なんて誰でも見れるわけですから。AIが出した情報を、人間がどう活用するかということですよね。

やっぱりイノベーションやクリエイティブなアイディアは、人間が思考するなかで生まれてきます。ネットのなかには書かれていないぐらい斬新なアイディアがイノベーションにつながるわけですから。

「余命10年」の岸博幸氏が語る、人生観の変化と介護業界の未来
AIの出力した情報を人間がどのように活用するかという視点が大事だと語る

―― 介護現場でもDX推進の波が起きていますが、今までのやり方を変えることに苦手意識を持つ人もいます。何か指針となる考え方などありますか?

岸 どんなことでも最初は初心者から始まります。しかし、最初は不慣れであっても一つひとつ素直に吸収していったら、学んだことは努力の何倍にもなって自分に返ってくる。新しいことに柔軟に向き合う姿勢があると人生で得をすると思います。

大切なのは、失敗したり壁にぶつかったりするのを恐れないことです。 失敗したくないと考える日本人は多いですが、アメリカでは失敗経験が重視されるんです。失敗とは挑戦の証であり、失敗を経験することで何らかの学びがあったと考えるので。

アメリカの大学院の入試では、過去の失敗経験をテーマにした小論文が出題されますし、シリコンバレーにある有名なベンチャーキャピタルでも、出資希望を出したスタートアップ企業に、過去の失敗経験とそこから得た学びを聞くそうです。

今の日本を変えるのは、政治家や政府の力だけではありません。企業や個人が力を発揮してイノベーションを起こすことで日本が元気になっていくでしょう。僕も病気と付き合いながら、日本の変革を支えるために新しい人生への挑戦をしていきたいと思っています。

「余命10年」の岸博幸氏が語る、人生観の変化と介護業界の未来
インタビューに協力いただいた岸博幸氏

―― 本日は、ありがとうございました!日本の介護現場の状況や今後のビジョンをグローバルな視座で捉え直すことができました。各方面における今後の活動も、楽しみにしています。

取材/文:谷口友妃 撮影:花井智子

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