追い越されそうになると加速する「抜かれたくない病」

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追い越し車線と走行車線がある高速道路の走行車線を走行中、前方に自車よりも遅い速度で走っている車がいるとしたら、安全を確認したのちにその車を追い越そうと思うドライバーは多いでしょう。

追い越される車のドライバーも、自車を追い越そうとする車がいることを認識したら、速度をキープするなどし、スムーズかつ安全に追い越しをさせようと考えるはずです。

しかし、自分の車が追い越されそうになったら露骨に速度を上げ、追い越し車線にいる車に自分の車を追い越せないようにするドライバーも中にはいます。

このような運転をするドライバーは「抜かれたくない病」と呼ばれ、とても嫌われているようです。

「格下」の車に抜かれるのは許せない?

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この「抜かれたくない病」のドライバーは、トラックや自分の車よりも小さい車や価格が安い車、軽自動車などに追い越されそうなとき、速度を上げて追い越させないようにします。

自分の車よりも「格が低い車」が自分の前を走ることが許せない、負けた気がするなど、プライドが傷つくことを嫌がり、このような運転をするようです。

追い越される車の速度が上がったら、追い越しをしようとする車はさらに速度を上げるか追い越しを諦めるかしなければいつまでも追い越し車線を走ることになります。

速度違反となってしまう場合や、リミッターにより出せる速度に上限があるなど、実際には追い越しを諦めるケースがほとんど。

追い越しを諦め走行車線に戻ったら、追い越そうとした車も元の速度まで落としていて、また追いついてしまう…という状況になり、結局追い越しをしようとしたドライバーは予定よりも遅い速度で走行を継続しなければならなくなります。

「追いつかれた車両の義務」に違反する場合も

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このような運転は、スムーズな追い越しが実現しないため、渋滞や事故などトラブルの原因にもつながる悪質な運転と言えます。

この「抜かされたくない病」のドライバーは、「幅寄せをするなどもしてないし、速度違反もしてない。

さっさと追い越せないほうが悪い」「違反じゃない」という思い込みから、このような運転をしてしまうのかもしれません。

道路交通法第27条では「他の車両に追いつかれた車両の義務」として、「追いつかれたときは、追いついた車両が追越しを終わるまで速度を増してはならない」と定められているため、このような運転が「違反じゃない」という認識は間違いになる場合があります。

「自分が正しい」のぶつけあいはトラブルの元

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ところで、「抜かされたくない病」のドライバー側が違反になるからといって、追い越そうとする側も張り合ったり文句を言おうとしたりしてしまうと無用なトラブルを招くことになります。

「抜かされたくない病」のドライバーは前述のとおり「違反じゃない」という勘違いから「自分は正しい」と思い込み、過度な正義感を持ってしまっている可能性があるため、追い越してくる車のドライバーを「正そう」としてくる場合があります。高速道路上で停車させられてしまうなど、非常に危険なトラブルへ発展することも。

予定していた速度よりも低い速度で走ることになるものの、追い越そうとした車のドライバーが「抜かされたくない病」のドライバーだと気づいたら、追い越すのを諦め、刺激しないよう距離をとるなどしたほうが安全です。

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