車の排気量とは?
©happycreator/stock.adobe.com車の重要スペックの1つであり、少しわかりにくい用語でもある排気量。排気ガスの量をイメージさせる言葉ですが、実際の意味はやや複雑で、エンジン設計に関係します。
ごく簡潔にいうと、排気量とはエンジン内で燃料が燃焼する空間の容積です。この容積を専門的には行程容積と呼びます。たとえば、排気量2,000ccの車であれば、エンジンの行程容積も2,000ccです。
排気量は車の走行性能や使い勝手に影響を与えるスペックであり、自動車税に関連する数値でもあります。排気量について詳しく知ることにより、車への理解が深まるだけでなく、適切な車選びができるようになります。
排気量とエンジン構造の関係

排気量はエンジンの行程容積によって決まる数値です。では、エンジン内のどのようなパーツによって行程容積が決まるのか。排気量の知識を深めるために、エンジン構造について見ていきましょう。
排気量を決めるパーツ
車のエンジンの内部は注射器と似た構造になっており、円筒型をしたシリンダーの中に円柱状のピストンが収まっています。シリンダー内の空間はシリンダーヘッドとピストン上端で閉じられており、このスペースで燃料が燃焼します。
以上の構造からわかるように、シリンダーとピストン、およびシリンダーヘッドが行程容積を決める主なパーツです。往復運動するピストンが下死点(最下端)まで下がった際の、シリンダー内の容積が1気筒あたり(シリンダー1つあたり)の行程容積となります。