執筆:座波 朝香(助産師、保健師、看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
高齢化や慢性疾患の増加を背景とした医療費の高騰が大きな社会問題となっている中「病気を予防する」という意味からも「栄養の力」に注目があつまっています。
ここでは、食品や栄養補助食品による「栄養の力」を上手に活用する「栄養療法」についてみてみましょう。

「栄養療法」とは?
一般社団法人オーソモレキュラーによると、「栄養療法」「分子整合栄養医学」と称されるオーソモレキュラー療法(orthomolecular medicine)は、薬による治療とは違い、栄養素による根本療法と考えられています。
多くの病気や症状は身体の中の栄養バランスの乱れが原因であるという、一定の考えに基づいています。
栄養素を、適切な食事やサプリメント・点滴などを用いて補い、身体を構成する約60兆個の細胞のはたらきを向上させて、さまざまな病気を治す療法のこと。
海外では1960年代より、精神疾患領域の治療として応用され始め、精神疾患や皮膚疾患だけではなく、がんの治療の可能性もなど、多くの分野で注目されています。
日本では、医師がこの療法を学び、全国の医療機関(約800施設)で診療に取り入れられています。
「栄養療法」による治療とは?
まず初めに詳細な血液検査を行います。

血液検査のデータと、症状や病状を照らし合わせることで必要な栄養素を推測します。
具体的な治療方法としては、主にサプリメントを用いて栄養を積極的に摂取することと、食事の改善、「高濃度ビタミンC」の点滴療法です。
また、定期的に血液データのチェックをして、さらなる症状やデータの改善を行っていきます。詳細な血液データから栄養を評価することで、その人それぞれの問題に合わせて治療をしていくという特徴があります。
多くの分野で活用されつつある栄養療法ではありますが、どんな病気でも栄養の力で治すということではありません。
あくまでも、代替療法の一つであるため、「栄養療法」による血液検査ですべての病気が見つかるということでもありません。

そのため、その他の代替療法と同じく一般的な医療と組み合わせて活用され、栄養素が身体や病気に与える影響、栄養療法による長期的な安全性についての臨床的な研究が続けられることが期待されます。


体調管理に必要な3つの栄養素
アルギニン
準必須アミノ酸ともよばれ、免疫反応の活性化、細胞増殖を促進する働きがあり、たんぱく質の構成成分として重要な成分です。
カニ、鶏肉などに多く含まれると言われています。その他肉類、ナッツ、大豆、玄米、エビ、牛乳など。
EPA・DHA (n-3系多価不飽和脂肪酸)
体内では合成できず、食事から摂取する必要のある必須脂肪酸の一種。血管に負担のかかる特別な状況において重要な役割を持つといわれています。

たとえば、血液中に脂肪が多い状態や血管が硬くなった状態のとき、血液がスムーズに流れるように働きかけるため、動脈硬化や高血圧症などの症状を予防することが期待されます。サバやイワシなどの青魚に多く含まれていると言われています。
RNA (核酸)
細胞の材料となるたんぱく質合成に関与する成分です。
<執筆者プロフィール>
座波 朝香(ざは・あさか)
助産師・保健師・看護師。大手病院産婦人科勤務を経て、株式会社とらうべ社員。育児相談や妊婦・産婦指導に精通
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供