「まんぷく」女優・岸井ゆきのが都合のイイ“やらせて”女を好演『愛がなんだ』

「まんぷく」女優・岸井ゆきのが都合のイイ“やらせて”女を好演『愛がなんだ』



■ 映画評論家・秋本鉄次のシネマ道『愛がなんだ』


配給/エレファントハウス テアトル新宿ほかにて全国公開中
監督/今泉力哉
出演/岸井ゆきの成田凌深川麻衣若葉竜也江口のりこほか


ヒロインの岸井ゆきのは、好視聴率だったNHK朝ドラ『まんぷく』で、安藤さくらの姪っ子・タカちゃんを演じた個性派女優。今年27歳なのに、童顔のせいか、初登場時14歳の役を演じて全く違和感がないのに驚いた。すでに女優として〝10年選手〟なのだが、これで全国的知名度を勝ち得たのだから、ご同慶の至りだ。個人的には別に好みのタイプじゃないのだが(失礼!)、何か気になる女優さん。『まんぷく』では正統派の役柄だったが、彼女の本領は『友だちのパパが好き』(15年)みたいなヘンな作品でこそ発揮されると思う。その点、この新作はかなりヘン、けっこうマニアック!


28歳のOL、テルコ(岸井ゆきの)は、ダメな男のマモル(成田凌)のことを猛然と片思いし、仕事も友情もそっちのけで最優先する。もっともマモルにとっては、テルコは電話1本で駆け付けてくれる〝都合のいい女〟でしかなかった…。


 



■ “クセになる”いびつな恋愛映画


とにかくヒロインののめり込み具合が半端じゃない。さほど魅力のある男には見えない彼氏(十分に魅力的な若手俳優、成田凌が演じているから面白い)を盲愛するにもほどがある。それはもう痛々しいほどなのだが、単に〝痛い女〟に終わらせず、その妄想・暴走ぶりがここまでくると一種突き抜けて〝乾いた笑い〟すら誘発させるのが味わいどころ。これも岸井ゆきののヘンな魅力ゆえか。友人に「あんた、不思議ちゃんを通り越して不気味ちゃんだよ」とか、「フラれても平気でメシが食えたり、〝死にたい〟って絶対言わないのがある意味スゴい」とか言われるキャラを、彼女はのうのうと演じている。


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