「自民党を阻止せよ」テレビ朝日の偏向がバレた『椿事件』【平成テレビ局スキャンダル】

「自民党を阻止せよ」テレビ朝日の偏向がバレた『椿事件』【平成テレビ局スキャンダル】

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テレビ局が起こしたスキャンダルの中でも、テレビ朝日の『椿事件』は、日本の放送史上で初めて、放送法違反による〝放送免許取消し処分〟が検討された事件として局内の〝黒歴史〟となっている。


1993年(平成5年)6月に行われた衆議院解散総選挙で、与党自民党の議席は過半数を割り、細川護熙を首相とする非自民連立政権が誕生した。この選挙の際に、テレビ朝日が非自民に対して好意的に、逆に自民に対してはネガティブな報道をしたことが問題になった。


「事の発端は93年10月13日付の産経新聞の朝刊一面の記事でした。当時、テレビ朝日の取締役報道局長だった椿貞良氏が、9月の日本民間放送連盟の会合で『小沢一郎氏のけじめをことさら追及する必要はない。今は自民党政権の存続を絶対に阻止して、反自民の連立政権を成立させる手助けとなる報道をしよう』という趣旨の発言をしたことが表面化し、大きな波紋を呼んだのです。そもそも、マスコミ報道は中立性を保たなければならないという〝大原則〟があり、椿氏の発言は、放送法に触れる可能性があったのです」(全国紙社会部記者)


 



■ BPO設立の発端に


椿氏の発言を受けて、当時の郵政省は緊急の記者会見を行った。「事実ならば放送電波利用停止もあり得る」と示唆し、自民党幹部も発言が事実であるのか、早急に確認するよう椿氏の証人喚問を要求したのだ。


「証人喚問を受けた椿氏は『誤解を与える発言をした』と陳謝しましたが、偏向報道については『行っていない』とこれを完全に否定しました。当初、郵政省はテレビ朝日の〝免許取り消し〟も検討していましたが、最終的に行政処分となりました。もし、厳重な処分が下されていれば、現在、テレビ朝日が存続していることはなかったでしょう。また、この事件をきっかけに、テレビ朝日と自民党は事あるごとに対立するようになっていきました」(同・記者)


この事件をきっかけに、視聴者から問題があると指摘された番組や放送を検証する第三者機関『放送倫理・番組向上機構』(BPO)が設立したのも有名な話だ。


最近はテレビの選挙報道で、政治家に厳しく食い込んでいくのは、テレビ東京でキャスターを務める池上彰氏くらいだが、当たり障りのない報道がまん延しているのも、椿事件を各テレビ局が強く意識し過ぎているからだという話もある。


放送の在り方を考えさせられる事件だったと言えよう。


 


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