季重なりへの挑戦〜芥川龍之介

季重なりへの挑戦〜芥川龍之介
俳句の中には、季語が二つ以上使われている「季重なり」の作品が多く存在します。効果的に季語を重ねた芥川龍之介(あくたがわ・りゅうのすけ)の句を、NHK「俳句さく咲く!」の選者・講座を務める堀本裕樹(ほりもと・ひろき)さん(「蒼海(そうかい)」主宰)が解説します。

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今回のテーマは「季重なりへの挑戦」ということで、芥川龍之介の季重なりの句を鑑賞しながら、一句のなかでどのように季語をうまく響かせて活用していけばいいかを考えていきたいと思います。
初心者への俳句指導でよく言われるのは、「一句に季語は一つにしましょう」ですね。なぜ、そのような指導がされるかというと、理由の一つに初心者は季語をあまり知らないので、うっかり季語を二つ以上使ってしまうこと、つまり季重なりを知らずにやってしまうからです。この「うっかり季重なり」をやってしまうと、一句のなかで季語が喧嘩し合ったり季節が重複したりしてしまいます。なので、初心者には「一句に季語は一つ」と指導されるのです。しかし、いろいろな俳句を読んでいくにつれて、「あれ? 名の知れた俳人の句には季重なりがけっこうあるぞ」と気づかされるでしょう。この場合の季重なりは、季語が重なっていることを充分承知の上で詠よ んでいることがほとんどです。また承知しているだけでなく、季重なりを活かすべく、表現のテクニックとして季語を重ねているのです。
ですので、「季語を知らない初心者は季重なりをあまり不用意にしないこと」、と一応釘を刺しておきます。けれども、季重なりは絶対禁止ではないことも知っておいてほしいのです。もし季重なりが絶対禁止だとすれば、俳句の表現の幅がずいぶん狭まってしまいますから。

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