東日本大震災から約9年。復興は徐々に進んでいるが、まだまだ間に合っていない地域も多い。
「囲碁フォーカス」ではこの公開復興サポートにて囲碁を通じた交流で、地元の方々が元気に生活してほしいという願いを込めている。
今回の会場は津波や火災の被害が大きかった気仙沼市。いつもの収録スタジオを飛び出して、講師の釼持丈八段と稲葉かりん初段が講座の公開収録を行った。連碁やトークショーのイベントには「囲碁フォーカス」前講師の円田秀樹九段や、王銘琬九段、戸島花さんも参加して地元の方々との交流で盛り上がった。

■囲碁講座 公開収録

講座は参加者の目の前で行う公開収録で、いつもの収録スタジオとは勝手が違う。収録が始まる前の稲葉かりん初段はふだんよりも少し緊張気味だったように思えたが、いざ始まってみると緊張は全く感じさせない。
それどころかテーマ図出題のときには参加者に答えてもらうなど、公開収録だからこそできる、一体感のある温かい雰囲気が感じられた。
続いての連碁は、釼持チームと気仙沼チーム(キャプテンは王銘琬九段)に分かれて、参加者全員で対局した。その様子をすぐ横で円田秀樹九段と戸島花さんが大盤解説。
対局が始まってみると、囲碁を始めたばかりの方や、級位者の方でも心配は無用だった。両キャプテンのさりげないヒントなどにより、思った以上にスムーズに対局は進む。戸島さんからは「復興支援のイベントで連碁の手数がここまで進んだのは初めてだと思います」という言葉が出てくるほどだった。
結局、対局は終盤のほうまで進み、打ち掛けとなった。
※続きはテキストでお楽しみください。
※肩書はテキスト掲載当時のものです。
■『NHK囲碁講座』2020年3月号より