たいていの古書店には、店頭など入り口付近に100円均一のような、格安の本が並ぶコーナーがあります。「自分にとってのお宝本を安く見つけるチャンスなので、必ずチェックを」。和氣さんは、そのときどきに気になっているキーワードを念頭に、棚をくまなくチェックするのだそう。「一冊見つけて、それを手に持って入店すると、古本屋さんに対して感じがちな入りにくさも軽減できます。古書店ビギナーはぜひ、ここから」
■4 古本は一期一会。即買いが基本
古書店の本は流れていくもの。新刊と違い、欠品したからといって簡単に補充ができるわけではないので、出会ったときが、買いどきです。「人気店は、覗くたびに品揃えが変わっていくので、次はもう見つからないということも。また同じ店を定期的に覗いていると、古書の流れが把握できて、これぞという本の入荷に気づけるようになるので、即決しやすくなります」
■5 古本ならではのストーリーに注目する
装丁が気になって和氣さんが本を開いたら、この本を紹介する新聞記事の切り抜きを発見!
「『痕跡本(こんせきぼん)』と呼ぶ人もいるのですが、こういう発見は、古書店めぐりのおもしろさですよね。書き込みや線引きは、古書としての価値を下げてしまうのですが、元の持ち主の読書をたどることができ、自分とは違う価値観を知るおもしろさがあります。蔵書印などもぜひ注目してみてください」
■『NHK趣味どきっ!こんな一冊に出会いたい 本の道しるべ』より