1979年に発売した「大都会」は、クリスタルキングのデビュー曲にして、150万枚超を売り上げた最大のヒット曲。田中の伸びやかな高音は当時「スリーオクターブの美声」と呼ばれたほど、代名詞的なものだった。
しかし、1989年のある日、バンド仲間たちと草野球を楽しんでいたときのこと。サードを守っていると強烈なゴロが飛んできたため、華麗にさばこうとしたところ、喉にボールが直撃して声が出なくなるという悲劇が起きてしまった。それから自慢のハイトーンボイスは戻ることなく、「ほとんどガラガラの声」になってしまったという。
その後の田中の音楽人生を大きく変えた出来事だったこともあり、このエピソードはファンにはよく知られている。