グレイトフル・デッドで30年にわたりベーシストを務めたフィルの死因は明らかにされていないものの、長年にわたり様々な健康問題を抱えていたことは知られており、2006年には前立腺がん、2015年には膀胱がんと診断され、1998年にはC型肝炎の感染により肝臓移植も受けていた。
カリフォルニア州バークレー生まれのフィルは、1962年にパーティで、後にバンドメイトとなるジェリー・ガルシアと出会い、1965年にジェリー、ビル・クロイツマン、ボブ・ウェア、ロン・マッカーナンと共にザ・ウォーロックスとして最初のギグを行い、その年の暮れにはグレイトフル・デッドとして知られるようになった。1967年には、ミッキー・ハートがドラマーとして加入した。
バンドは13枚のスタジオ・アルバムほか多数のライヴ・アルバムをリリース。1994年にロックの殿堂入りを果たした。1995年8月にリード・シンガーのジェリーが他界した後も、フィルはアザー・ワンズやザ・デッド、ファーザーとして、バンドの元メンバーや他のミュージシャンとツアーを続けた。
フィルの訃報を受けて、グレイトフル・デッドの存命メンバー、ボブとミッキー、ビルが声明を発表。「今日、我々は兄弟を失った」「フィル・レッシュはかけがえのない人だった」とした上で、「彼のベースは川の流れのように流れていた」「彼は内宇宙と外宇宙の探検家であり、たまたまベースを弾いただけだった」「彼は、かつて未知であった音楽の世界を一周する探検家であった。そしてそれ以上だった」と故人を称えた。