暴言大炎上でも共和党の「トランプ降ろし」が困難な理由 - 冷泉彰彦 プリンストン発 日本/アメリカ 新時代

 今週飛び出したドナルド・トランプの「すべてのイスラム教徒のアメリカ入国を拒否すべきだ」というコメントは、与野党一体となっての非難の大合唱に包まれました。

 オバマ政権のアーネスト報道官が「大統領候補の資格なし」と切って捨てたのを筆頭に、民主党サイドだけでなく、ブッシュ前大統領、チェイニー前副大統領、ライアン下院議長などの共和党の大物も口を極めて非難をしています。

 ペンシルベニア州のフィラデルフィアといえばアメリカ建国時の首都であり、来年7月に民主党の党大会が予定されている大都市ですが、同市のマイケル・ナッター市長は「トランプの入市禁止」を宣言。一方で海を渡ったイギリスでも、「トランプ入国禁止措置を求める請願」が盛り上がっています。

 そんなわけで、まともな政治家やジャーナリストの中でトランプを擁護する人間は一人もいなくなっただけでなく、保守・リベラルに関わらず、ほとんどの政治家がトランプを積極的に非難するという事態になっています。

 ですが、その一方で共和党は深刻な苦悩を抱えています。

 それは「トランプ降ろし」が難しいという悩みです。

 トランプの暴走が止まらない中、そのトランプは今でも共和党内の支持率1位というポジションを守っています。来年2月から始まる予備選・党員集会のプロセスをトランプが生き残り、7月に共和党の統一候補となったケースはどうでしょう。その場合は巨大な中間層・無党派層におけるトランプ支持は低いため、おそらくヒラリーになると思われる民主党候補には負けるでしょう。
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2015年12月10日の国際総合記事

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