「酒の安売り許さん!」の酒税法改正は支離滅裂

<先ほど成立した酒税法等の改正により、罰則が設けられ、酒の安売りが規制されるようになる。だが、それで本当に街の酒屋を守れるのか? 酒をめぐる商売は既得権益が生じやすいが、自由化の歴史に逆行する今回の法改正は無意味だ>

 冷えたビールが美味しい季節になった。台所でちょっとしたツマミをつくり、缶ビールや発泡酒で、気軽に家飲みを楽しむ方も多いだろう。
 
 去る5月27日、「酒税法」と「酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律」の改正案が可決、成立した。施行は1年後である。

 どのような改正かといえば、安すぎる値段で酒を売っている、けしからんディスカウントストアやスーパーを規制するという、なかなか大胆で図太い内容である。財務大臣が改善命令を出しても従わなければ、罰則(50万円以下の罰金刑/酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律98条1号)を科すなどして、酒の安売りを根絶する。それにより、街の酒屋を守るのだという。

 資本力にモノをいわせる薄利多売を法律で強制的に禁止して構わないのなら、「うちでもやってほしい」と手を挙げたい業界は、たくさんありそうだ。

 私がお世話になっている出版業界・書店業界では、書籍や雑誌など、複製された著作物の安売りが原則として禁じられている。しかし、大規模な古書店チェーンやネット古書店の台頭により、いや、たいていの情報がインターネットで無料で読める時代となったことによって、情報の価格破壊が一気に進んだ。定価販売を義務づけられる新刊書店は、割を食っている。

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