メコン川を襲う世界最悪の水危機

<エルニーニョとダム建設の影響で深刻な水不足に苦しむメコンデルタ地帯。最先端の農業改革と、昔ながらの貯水対策などが同時並行で進められている>(写真はプノンペン付近のメコン川で漁網を張る少年)

 カオ・ユーエンは2本の金属棒の先に目をやった。棒が「反応した」先の地面では、穴の中に濁った水がたまっていた。「これは魔法じゃない」と彼は言う。「生活のために水に関していろいろ実験してるのさ」

 カンボジアのアンコールワットに程近い小さな農村に住むカオがしていることは、世界遺産に負けず劣らず意義深い。ここ数十年の東南アジアで最悪レベルの干ばつが襲うこの地で、生きるために水脈を探索して歩いているのだ。

 彼は2本の金属棒を胸の高さで軽く握り、乾き切った土地に先端を向けて辛抱強く歩き回る。棒の先端が左右に開く場所に、水脈が眠っている(と願っている)からだ。反応がある場所を掘って水が見つかれば、それを作物栽培に利用する。2週間前に韓国のNGOから金属棒の使い方の指導を受けたという。

 この手法に科学的根拠はないし、アジアの水危機の解決策にもなりはしないだろう。「私のおばは金属棒探知を信じるタイプだったけれど、私は穴をいくつか掘るほうがまだましだと思う」と、国際水管理研究所(IWMI)のジェレミー・バード所長は言う。「数カ所で水は見つかるだろうが、何より大事なのはどのくらいの期間それが持つかだ。金属棒探知では分からない」

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