旅行シーズン、機長の精神状態は大丈夫?

 旅行シーズンのたびに、多くの人が空を飛ぶリスクにストレスを感じながら飛行機に乗り込む。事故が怖いという人もいれば、テロに遭う可能性に気を病む人もいる。ところが、操縦桿を預かるパイロットの精神状態を気にする人はほとんどいない。

 生物医療専門の出版社、英バイオメド・セントラルのオンラインジャーナル「環境健康(Environmental Health)」に14日に掲載された論文で、パイロットの精神状態を憂慮すべき理由が明らかになった。匿名を条件に1848人のパイロットにネットで調査した結果、回答者の12%以上がうつ病を患っていたのだ。調査までの2週間に自殺を考えたことがある回答者は4%。精神的苦痛の症状は、女性より男性パイロットの方が顕著だった。

ストレスが強い職業

 最近では15年3月に、うつ病の既往歴があった格安航空会社ジャーマンウィングスの副操縦士が、スペインのバルセロナからドイツのデュッセルドルフに向かう途中に故意に機体を墜落させ、乗客乗員150名が犠牲になった事故が記憶に新しい。

【参考記事】快適からどんどん遠ざかる空の旅

「パイロットという仕事は比較的ストレスが強い職業だ」というのは、ハーバード大学公衆衛生大学院の博士課程に在籍するアレクサンダー・ウーだ。旅客機のパイロットはうつ病と自殺のリスクが高いという。「法的機関や人命救助に携わる職業、元軍人などを対象にした複数の研究結果と見比べたところ、パイロットもそうした職業と同水準のリスクを抱えていた」。それらの職業全体で見ると、うつ病と自殺のリスクは7~17%に上るという。

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