移民や難民の入国を一時禁止するなどとしたドナルド・トランプの大統領命令は、世界中の怒りを買っている。著名人や慈善団体はもちろん、民主党と共和党、外国政府(入国禁止の対象となり報復すると誓ったイラン外務省)や国連、世界の指導者たち(メルケル独首相、メイ英首相など)など、波紋は広がる一方だ。身内の米政府内でも、国務省職員100名ほどが抗議文書に署名し、サリー・イェーツ米司法長官代行は入国禁止令の合法性を疑問視して反対。驚いたことに、イェーツは「裏切り者」(ホワイトハウス)としてあっという間に解任された。
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こうしたなかで、具体的な抗議や対抗策への取り組みという点では、シリコンバレーがいちばん進んでいるといえるだろう。
アップルのティム・クックCEOやテスラ創業者のイーロン・マスクも、どこかでトランプと共通の土台が見つけられるのではないかと期待していた。トランプも、世界の頭脳が集中するシリコンバレーを称賛したことがある。選挙地盤や既成権力の助けを借りずにトランプが当選できたのも、シリコンバレーが発明したツイッターの力が大きかった。